黒外套の弟子になりたくて志願したらいろんな騒動に巻き込まれた。【芥川龍之介】

２８，妙。 ページ31

・



　あれからお互い、変な関係になってしまった。


　当初私は師匠の弟子になりたくて志願したというのに恋心を抱くとはなんたることか、って思った。でも「どうでもよくね？」なんて思うようになってしまったからか、意識しはじめていたのだ。







「A、A。リンタロウがうるさいの。だから一緒にケーキ食べましょう」





　そんな有り難きエリスさんのお誘いも、最近は断ることが増えていった。



　中原さんも中原さんだ。私たちを見ると目線を反らすし、挨拶程度しか会話を交わさなくなった。


　あれ、私何処か踏み間違えました？


　しかし師匠といえば変わらず接してくる…いや、接し方、変わったなぁ。


　例えば…


「羊毛、この書類を首領に届けろ」

とか、

「羊毛、この報告書を首領に届けろ」

とか、





「A、好きだ」





　とか…。……………ん？





「えっ！？師匠！？何故！？任務行って3分も経ってないですよね！？え！？」





　先刻見送った筈の師匠が、其処には立っていた。

　というか幽霊みたいに佇んでいる。ちょっと怖かった。



　とまぁ、それよりも今なんて言いました？私が好きだと？






「A、貴様分かっていて焦らしているのか？僕の気持ち関係無しに他の奴等と…」



「ストップストップ！！」





　思わず声を上げた。


　何故師匠はこんなにも顔が赤いのか、そして私はと言えば、足が震えるわ鼓動が大きくなるわで混乱している。


*


　ホムペ作ってみました。一番下にある作者名より検索お願いします。

２９，逃亡。→←２７，交渉。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す