【歌い手】私には居場所がありません。【裏切り】

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志「ハサミで……」


貴「はっ､ハサミで…？」


もしかして､この展開はいじめ系の漫画とかでよくあるハサミで髪を切ろうとしていたパティーンじゃないのか！？


ふっふっふっ…お見通しだぜ､志麻くん。そう言おうとしていたのだろ？


分かってた……


志「Aちゃんの服を切ろうとしていたんだよ！」


貴「…………ん？」


そっちかい！！！


てかなんで志麻くんとセンラくん興奮状態なんだよ！意味不明だこいつら。


セ「いやーなんかね､ある女子の横通った時にAちゃんの服切ろうやって話を聞いちゃってねー。Aちゃんの下着姿を見るのは僕だけで他の人には見せたくなかったから助けてん」


感謝します。


でも一つ疑問。


助けた理由が私の下着姿を見せたくなかったからってなんだよ！


普通の人なら､「Aちゃんが危ないと思って助けたんだ(ｲｹﾎﾞｫ」とかそう言うはずなのに


「下着姿を見るのは僕だけで他の人には見せたくなかったから助けてん(爽)」


理由！意味不明！


しかも爽やかに言うなよ！


でも､助けてくれたのは確かだしね…


お礼は言っておかないと。


貴「理由が少し意味不明だけど…ありがとう､助けてくれて」


志「いいよ､Aちゃんの下着姿暴露会にならなくて良かったよ〜」


セ「そうやね。でも助けたお礼にAちゃんの下着姿の写真送ってや」


絶対に送らないからな。変態な2人に送るもんか。


貴「本当にありがとね。お礼はそういう系以外なら何でもするから。じゃあ､私帰るね。バイバイ」


床に置いておいた鞄を拾い､帰ろうと足を進めた。


でも､歩き出して3歩くらい歩いた時に後ろから手を引かれた。


そのせいで私はバランスを崩して後ろに倒れ込んだ。


ぼふっとなにかの上に倒れ込んだ後にぎゅっと抱きしめられた。


セ「僕達は､Aの味方やからな」


志「安心してね､A」


顔は見えないけれど､声的にふざけて言ったのではなく真面目に言っていた。


しかも､普段はちゃん付けなのに呼び捨てだった。


私は2人が本気だと分かった。


私はその言葉がとても嬉しかった。

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