検索窓
今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:309,300 hit

―10― ページ13

止めようとしても出てくる涙。


ただ私は泣くことしか出来ない。


皆、姫乃の方に行ってしまった。


私の仲間を取って。


せっかく居場所が出来たのに、また姫乃に取られちゃった。


ほら、また私は一人ぼっち。


頼れる仲間は、もういないんだ。


貴「…!」


突然背中が温かいものに覆われた。


「……また、あの時みたいに1人で泣いてるやん」














貴「………さかたん」


温かみの正体はさかたんだった。


抱きしめてくれている。


でも、どうしてさかたんが…


坂「俺はな、Aちゃんの味方やから。だって、仲間を大切にするAが人を窓から突き落とすなんて考えられへん」


腕を強くして抱きしめる力を強めるさかたん。


そして、少し息が乱れている。


もしかして、走ってきてくれた?


そう思うと私は嬉しかった。


私の為に走ってきてくれた。


私を信じてくれる仲間がまだいた。


だから嬉しかったんだと思う。


貴「さかたん……ありがとう…」


私は涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑顔を見せた。


そのまま私はさかたんの方へ向き、抱き返した。




ガラッ


う「A!………って坂田!」


ドアが急に開いたと思えば、息を荒らしたうらたんがいた。


うらたんは私達に近づき、ベリっと引き離した。


そして私の腕を引き、私は体制を崩してうらたんの方へと倒れ込んだ。


う「坂田だけヒーローぶりやがって…ずるいぞ!」


坂「いや、うらさんが来るの遅かったからでしょ!?」


そんな会話を繰り広げるうらさか。


私は会話について行けず、ただうらたんに抱きしめられるだけだった。


う「……A、俺はお前の味方だ。あの時、下から見てて必死に否定してるAの姿は嘘ついているようには見えなかった。それにお前は仲間思いだからな。そんな事しないって俺には分かる」


ニコッと微笑み頭を撫でてくれた。


2人から温かい言葉。


それが嬉しくて、嬉しくて。


だから私はまた、涙を流した。

―11―→←―9―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (347 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
808人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 裏切り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Claudie O'Kon - Licensed (2020年12月15日 0時) (レス) id: 626bf8bc05 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 更新待ってますぅ!!天月すん………っ………(;ω;`) (2019年3月26日 23時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
モモ缶。(プロフ) - あ……ああ……つっきぃが……できれば96ちゃんとまふくんがこっちにつくことを願ってます。続き待ってますね(´・ω・`)96ちゃんまふくんカモン……! (2018年10月2日 0時) (レス) id: 8cb1d9c8ba (このIDを非表示/違反報告)
Katze - 続き楽しみにいています!!!!!!!! (2018年6月11日 11時) (レス) id: cb9a4cb513 (このIDを非表示/違反報告)
犬うどん - くっそ悪女イラつくわ〜。でもめちゃめちゃ面白いです!更新頑張って!! (2018年5月13日 14時) (レス) id: 88e67e60b1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 x他1人 | 作成日時:2017年4月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。