やつがれちゃんが大好きすぎる皆様の重い愛を具現化した短編集。

敦芥『好きです』 ページ25

◆



　勘違いするなよ、貴様の話を聞くのは貴様がしつこいからだ。





【好きです】





　それはどうしようもなくて、どうにかしなきゃいけない事。

　何故こんなことになったのか。脳みそまでもがポンコツであるのならば合点がいかなくもない。





「芥川、好きです」






　任務中(それも結構大事な)に人虎に会った。初めてではない。最近よくあることだ。

　人虎は会うたびに「好きです」だの何だの言ってくる。最初のうちは羅生門で刺したが、もう此処まで来ては刺す気力もない。






「太宰さんは何処に」



「芥川、お前が好き。もうどうしようもないくらいに好きなんだ。付き合ってくれませんか？」



「樋口、今朝の報告書は…。そうか、よくやった」



「芥川の為なら探偵社だってやめる覚悟だ。芥川の為なら」



「太宰さんがこの前僕に頼んでいた調査が済んだ。この紙を持っていけ」






　噛み合わない会話の異空間のなか、僕と人虎はだんだん険悪な空気になっていった。


　こんな感じにするつもりはない。だが素直になれないのは誰でもそうで、僕が取り分け素直になれなすぎるのだ。






「太宰さんは何処にと聞いている」



「そんなに知りたいなら付き合って」



「笑止。意味が判らぬ」





　もうこれは探偵社に行くか＿＿。

　そう歩き始めると腕を掴まれた。さすがの僕も太宰さんと会う機会を人虎に邪魔されては怒る。


　毎度の事ではあったが。





「離せ」



「だから好き！僕、頼りないかもしれないけどお前が好きなんだ！」





　顔をズイ、と近づけて言い放った。なんだこいつ、見かけによらず髪の毛いい匂いするなぁなんて柄にもなく考えていると、唇に暖かい感触。




　仕方ない。自分が何をされていたのかを思い出すのに時間は掛からないが信じたくない。

　よってまず人虎と付き合うところから始めよう。



♀♂♀♂♀♂

　リクエストありがとうございます。


　ここだけの話。すごいＨ(知り合いに見られたらコンマ一秒で即死レベル)なのとか、病み過ぎてて誰だお前って感じのをやりたい。

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