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谷芥『妹』 ページ14





 いや、ナオミのことは大好きだけど、芥川はもうボクの全てを支配してるからなぁ…。







【妹】





「兄様、何を見てらっしゃるの?」





 いつも変わらず後ろから抱きつくナオミの視線の先にはボクの携帯。そしてその携帯には幾つもの写真。






「あっ、兄様の想い人ですわね?」



「ちょっ、ナオミ声大きい!」





 数名の探偵社員がボクを見る。あぁあぁっ、止めて見ないで。携帯を持った手がカタカタ震える。






「すいません国木田さん…!ボク嫁と待ち合わせしてるので…!あっ、ナオミ!ナオミはいつものお願い!」



「兄様の為ですわ!」






 刹那ボクは時計を確認すると国木田さんの返答も待たずに探偵社を飛び出す。ナオミはいつもの高性能カメラを片手にしている。






「ごっ、ゴメン…待った?」



「待った?今日は待ち合わせの約束などない」







 あの裏路地であの外套を纏った彼がいる、そう思うだけで優越感に満たされた。ナオミはと言えば、上、後ろ、横、の全包囲から撮影をしてる。



 そしてボクはと言えば笑顔を向けても無視される。流石のボクもカチンときて、あまり変わらぬ身長差を用いて抱き締めた。


 身体を強ばらせて離れた芥川に「えっ」と間抜けな声が出た。






「芥川、この前と随分態度がちがくない?ちょっとボク傷ついた…」



「!違う、僕の妹が来る故にこの様な所を見られてたまるか、と」






 先刻の振る舞いが別人のように顔が赤くなる芥川。なァんだそんな事かと安堵を覚えると、後ろにいたナオミが息を飲んだ。






「ナオミ…?」



「兄様、物凄い美人がいますわ」



「えっ?あ、ホントだ。芥川、この子が妹?」



「来たか銀。こいつらには構うな。行くぞ」



「ちょっと!?」







 そそくさとその場を去った芥川。やはり他人にボクとの関係を知られたくないのか。誰かの前でボクと会うと、二人きりのときとは態度が違う。



 あぁ…でも今日は芥川の妹を初めて見れた。嬉しいからこれで良しとしよう。



 後で、いや、今夜にでも…。



 …………………………ちょっと叱ろうかな。


♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂

 微妙に愛が重い感じの谷崎くんであります。谷芥って難しいですね。


 リクエストありがとうございます。

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エリカ - リクエストいいですか?ドス芥お願いします!できればドストさんがヤンデレな感じのを… (2017年6月10日 18時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
福地さん(プロフ) - ああああああ!同志がいたっ!なんという幸せ!太芥いいですよね!!!文ストの中で一番好きなcpです!やつがれちゃんの儚い感じがすごい好き!!幸せになって欲しいっ!そして、表ではやつがれちゃんに厳しくしてるけど裏ではやつがれちゃんの事褒めてる太宰さん…好き (2017年4月5日 22時) (レス) id: 4a35111a88 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» 二重人格好きです。続編にいったので是非…(^^) (2017年2月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
桐宮 - 俺も異常だね。本当に好き。がれちゃん二重人格いい。 (2017年2月21日 22時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - kiiroitoriさん» 同類ですね。わたくしも馬鹿みたいに騒いでドタバタしてますよ(超迷惑) (2017年2月21日 21時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/  
作成日時:2017年1月15日 23時

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