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・一 ページ2

女将 「A、本日も左衛門殿がいらっしゃるのだから

しっかり支度いたしんす」









貴方 「わかりました」









女将に言われていつも着る菫色の着物を着る









少し質素な色をしているものの









どこか華やかで優雅なこの着物は着心地が良く落ち着く









左衛門 「Aよ、今日も美しいね





さぁ、今日もよろしく頼むよ」









貴方 「左衛門様、ようこそおいでくんなまんし


ご冗談をいいなんすな



今宵もお楽しみいたしんしょう」









私はこの夜が嫌いだ









自分の知らない自分を演じて









私の大嫌いな場所で出会った









よくわからないものと一夜も戯れるのだ









きっと心は禿になったばかりの時より

酷く汚れてしまっただろう



















左衛門 「楽しかったよ、それでは」








貴方 「ふふふ、わっちもでありんす

またおいでくんなまんし」









なにがわっちもだ









もう二度と来なくていい









だれか教えて欲しい









この閉じ込められた籠の中からいつ抜け出せるだろう









いつからだろう









この仕事に何も思わなくなったのは









つきだしを経て太夫の位置にくらいついた私は









きっと振袖新造の時の方が余っ程楽しそうに働いてただろう









“ 菫色の着物を着た美しい少女 ”









なんて









誰も私の心や思いを見てくれないくせに

・二→←ようこそおいでくんなまんし



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設定タグ:伊野尾慧 , 恋愛 , 山田涼介   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:いのみづちゃん | 作成日時:2017年8月29日 10時

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