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Aside
「もういいよ、この話終わり。」
「はいはいごめんね。Aから男の話が聞けるのが珍しすぎてテンション上がっちゃったの。」
たしかに、それは否定できないけど、、
彼は、どう考えても彼氏というよりペットだ。
私は彼にドキドキでもキュンキュンでもなく、癒しを求めてる。
だから、そのペットに会えないのはちょっと寂しい。
彩とのランチ中に届いていたメッセージを何度も見返した。
“ごめん風邪ひいた。チョコを頼む。”
あれだけ言ったのに。もっと厚着して来いって。
2月という寒さがピークのこの時期に、彼はTシャツ1枚で来たりする。
最初は驚いたし、心配してたけど、
あまりにも大丈夫そうだったから、皮膚感覚死んでるんだってそう思ってたのに。
やっぱり普通の人間だったなんて。
「大丈夫かな。」
お見舞いぐらい、行った方がいいのだろうか。
なんて考えたけど、そう言えば私、彼の家知らなかった。
実家、ではないよね。
でも、モモちゃん飼ってるって、、
向こうは毎晩律儀に私を送り届けてくれるから知ってるだろうけど。
私は知らない。
なんか、ずるいな。
もっともっと、彼をいっぱい知りたい。
「、、、」
今のはちょっと引いた。
なかったことにしよう。
夜、チョコの元へ行くと、メッセージ通り彼はいなかった。
「チョコ。寂しいね。」
今日は大人しく私に抱かれているチョコ。
来るたびに冷え切った体をすり寄せてくるのは、かわいいけど心配。
やっぱりこんなお世話、間違ってるのかな。
ダンボールの底には、彼が持ち寄った布団。
側には私が買ってきたエサ用のお皿。
この、捨てられてるのか違うのか分からない子犬を、拾おうにも拾えない人だっていたはずだ。
「ごめんね、チョコ。」
冬の夜だからか、彼に会えないからか、
なんとなく気持ちが沈んだままチョコとお別れした。
こんなの初めてだ。
だけど、
家に着いた頃に携帯を確認すると、
“ちゃんと帰れた？”
って言う彼からのメッセージが届いてて、自然と笑みがこぼれた。
_____
毎週日曜10時の更新を目指していたのですが、最近勉強や課題に追われて全然守れません、、
作者の性格が表れております、、
読んでくださる方が少しずつ増えていくのが嬉しいと同時に、ほんとに申し訳ない気持ちです。
気長に待ってもらえれば幸いです。
作者より
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作者名：ちーず | 作成日時：2019年11月21日 21時
