君の心が知りたくて。第1期 (ページ5)

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4.和典の心ページ5

俺が初めて立花に会ったとき、

女って面倒くせーんだよな、無視しとくかって思ってた。

最初の事件で関わってみても、やっぱ面倒くさい奴だった。

でも俺はその時、あいつが天然でトロいって事しか知らなくて、

天然ってだいたいウザイし、これからやってけんのかよって思ってた。

そう思ってたのに､気づけば一緒に笑ってる、『仲間』になってた。

あいつはトロいくせに、女扱いされるのが嫌いで、仲間として見てほしいと言う。
あいつは天然だから、ときどき俺をどきっとさせて、自分でそのことに気づかない。

俺の心臓はいつしか、立花といるだけで心拍数が上がるようになった。
俺の頭の中にはいつの間にか、数学やサッカー、Kzのほかに、立花というスペースができた。

女が好きそうな物を見る度に、立花に似合うだろうか、と考えてしまう。
女が集まってはしゃいでいるのを見る度に、
立花は学校で上手くやっているのだろうか、と考えてしまう。

この感情の名前を、俺は知らない。

黒木なら知っているのだろう。

でも俺は聞かない。

この感情の名前を知ってしまったら、立花との関係が崩れてしまう気がするから。

立花と『仲間』でいられなくなる気がするから。

ーー大切な人を失いたくないからーー