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ぴょこぴょこと耳が跳ねる様子をリナリーはくすくす笑いながら見ていた。神田とラビへの怒りの矛先は静まり、今は目の前のSNS映えグッズに夢中だ。女の子はこういう可愛いものが好きというし、彼女はこういった流行のものに目がない。アレンはリナリーのためとはいえ神田を助けるようなことをしている自分に内心苦笑いする。
「かわいいわね、ほんとにかわいい!」
「似合ってますよ」
同じものを彼女にも被せると嬉しそうに両側の肉球を押していた。どうやらリナリーはうさぎの被り物をかなり気に入った様子で、瞳をきらきらさせている。……かわいい。
「じゃあ買いましょうか」
「わたしはいいよ! アレンくんのほうが似合ってるから、アレンくんに買ってあげる!」
「僕ですか? リナリーのほうが似合ってますよ」
「で、でも……」
「じゃあこうしましょう、二人でお揃いで買う! コレでどうです?」
さっきより大きな賭けに出たと自分でも思った、勢いに任せてずるいことをした。ポーカーフェイスも博打も得意だが今回ばかりは命賭けの大勝負だ、乗るか引くか、騙すか騙されるか。際どかった。心臓が早鐘を打つのがわかるほどアレンは緊張していた。キョトンとした表情で少し間を置いた彼女は、笑った。
「そうしましょ!」
結局ラビと神田は買い出しが終わるまで女の子たちに質問攻めに遭っており、全て終わる頃にはリナリーの怒りは静まり呆れに変わっているようだった。二人でお揃いで、買ってしまった。勢いで変なことを口走って否定されるかと思いきや、すんなり受け入れられた。これってまるでカップルじゃないかとアレンは額を抑えて赤面する。神田には気持ちわりぃと言いたげな視線を向けられたが、このパッツンはさっき僕に救われたことを忘れたのだろうか。ボケが進行しているみたいなので早急に病院に行ってほしいな。
「はー、マジうめぇさ。生きてて良かった〜」
「ほとんどわたしとアレンくんでやったけどね」
「……スンマセン」
「いいのよ、ラビの奢りだし。ありがとうね」
「リナお前めちゃくちゃ根に持ってんな」
いちごのかき氷を食べるリナリーはふふふ、と笑う。懲りたラビは泣きながら平謝りして神田にブルーハワイを一口欲しいと頼んでいたが、即答で拒否される。アレンは黙々と3つ目のかき氷を食べていた。
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月夜弥(プロフ) - かがりさん» はい!暑いので熱中症には気を付けてくださいね! (2018年5月19日 11時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
かがり(プロフ) - 月夜弥さん» 初めまして、暖かいコメントありがとうございます! これからもゆるりと更新しますので、しばらくお付き合い下さい! (2018年5月19日 9時) (レス) id: d3d904e778 (このIDを非表示/違反報告)
月夜弥(プロフ) - アレン君まじ尊い…天使ですか!?とっても可愛いです!このお話大好きです! (2018年5月13日 22時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かがり | 作成日時:2018年3月30日 18時