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｢そこ、まだ残っているんですか？ とっくに下校時間は過ぎています。今すぐ帰りなさい｣
｢はーい｣
｢うわわ、リンクせんせーだ！ 早く帰ろ、まーたお説教始まっちゃうよ｣
テスト期間はみんな早く家に帰って勉強しているから、放課後教室でお菓子を持ち寄って勉強会とは名ばかりの女子会をするにはもってこいだった。普段部活が忙しくて会えない友達ともテスト期間ならゆっくりと教室で起きたことや好きな人の話をすることができた。うちのクラスは遠足でこんなことがあってね、とかあの子は隣のクラスのあの子と付き合ってるって聞いちゃったとかしょうもないけどわたしたちにとって大切でかけがえのないことで盛り上がっていると、唐突に教室の扉が開いてリンク先生がいつもみたいに眉間にシワを寄せて険しい顔で入ってきた。げ、と分かりわすい表情を浮かべるわたしに気付いた先生は余計に顔を顰めた。誤魔化すように諂うと勉強道具なんてひとつもないお菓子の袋だらけの机を綺麗にして、急いで荷物をまとめた。
｢この後どっかいく？｣
｢スタバの新作飲みたい｣
｢いーね、わたしもいく！ ね、だから早く行こ！｣
｢1年3組9番斎藤A、聞こえていますよ。次に私の授業に遅れたらどうなるか覚悟しておくように｣
｢……ひえ、じゃ、せんせーさよなら！｣
はーい、とか呑気な返事してる場合じゃない。せんせー彼女いるってほんとー？ なんて絡みに行ってる場合でもない、ねちねちねちねちお説教をする先生が苦手なわたしはそそくさと帰り支度を済ませるとみんなを引っ張るように教室を出た。逃げるようにして廊下を歩き出すと背中にお小言をかけられる、ほーら言わんこっちゃない！
｢あ、だめ、やっぱりわたし帰らなきゃ！ ごめんまた明日！｣
｢えー！ もー、仕方ないなあ。ばいばーい！｣
｢明日は勉強しようねー！｣
｢それフラグじゃん！｣
帰りのバスが今日はないこと忘れてた。あっと息を飲んで携帯の時間を確認しながら校門の前で友達と別れた。忙しなく駆け抜けてく日常、わたしの日常。高校生活一年目は毎日がきらきら輝いていて、充実していた。
長い夢を見ていた気がする。懐かしくて暫くの間Aは呆然としていた。しかしAは眠ることが出来ない、何を見ていたのだろうか。古い記憶か不思議なビジョンか、Aには検討もつかなかった。
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月夜弥(プロフ) - かがりさん» はい！暑いので熱中症には気を付けてくださいね！ (2018年5月19日 11時) (
レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
かがり(プロフ) - 月夜弥さん» 初めまして、暖かいコメントありがとうございます！ これからもゆるりと更新しますので、しばらくお付き合い下さい！ (2018年5月19日 9時) (レス) id: d3d904e778 (このIDを非表示/違反報告)
月夜弥(プロフ) - アレン君まじ尊い…天使ですか！？とっても可愛いです！このお話大好きです！ (2018年5月13日 22時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがり | 作成日時：2018年3月30日 18時
