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何が良かったね、だ。内心ぐじゅぐじゅのぐちゃぐちゃで煮えくり返っているくせにAはあっけらかんとやり過ごした。そんなの本心じゃない、全く思ってない。悔しくて、羨ましくて堪らない。だけどそれでもいいと傍観を決め込んだのは自分だ。矛盾してはいけない。
｢そうだ、土曜日は出掛けますよ｣
｢ん。誰と？｣
ラビか神田(はありえないか)だと思っていたAは頭にクエスチョンマークを浮かべるが、アレンは微笑むだけだった。
・・・
六月上旬、じめじめとした嫌な天気が続く中アレンに任せられたティムの散歩に出掛けるとAは相手は全く知らないだろうがよく見知った彼とすれ違う。見知ったも何も、彼とは毎日顔を合わせているのだが。神田ユウ、アレンとはとても仲が悪い、のか良いのか分からないが多分好敵手だと思う。鼻に大きな傷のある人懐こい笑顔の男と並んで歩きながら何やら言い合いをしているようだ。
｢テメェアルマいい加減にしろよ、いい歳して何がぬいぐるみだバカ｣
｢なんだよなんだよユウのケチ！ この間のことで怒ってるんだろ、マリから聞いたよ！｣
｢あのオヤジは関係ねェ！｣
見たところ大学生のようだが、ぬいぐるみとはまた可愛い趣味である。ギャーギャーと言い争いがヒートアップするかと思いきや、ティムを見た途端に注意がこちらに集まった。傍から見ればティムはリード無しで歩いているのだから、野良犬と勘違いされてもおかしくない。
｢こいつ、モヤシの家のだろ｣
｢あの子モヤシっていうの？ てかリードないよ、飛び出してきちゃったのかな〜｣
｢……ティムは頭良いからな｣
｢ユウなんかしたの？｣
最近ではティムがAに吠えることは無くなったが、A同様神田もティムに警戒されているらしい。
｢神田くんに何したの？｣
神田に吠え続けるティムに問いかけると、食事代を払おうと寝ているアレンの財布に手を伸ばした神田を噛んでやったとのことだ。だから彼はあんなに汗をかいているのだなと納得するとAはティムを呼んで道を引き返すことにした。
｢あ、行っちゃうよユウ。いいの？｣
｢自分で帰り道分かってんだろ｣
｢あの子に呼ばれたのかな｣
名前を呼ぶ声に反応して走っていくティムの後ろ姿を見送りながら、アルマは不思議そうに首を傾げる。
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月夜弥(プロフ) - かがりさん» はい！暑いので熱中症には気を付けてくださいね！ (2018年5月19日 11時) (
レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
かがり(プロフ) - 月夜弥さん» 初めまして、暖かいコメントありがとうございます！ これからもゆるりと更新しますので、しばらくお付き合い下さい！ (2018年5月19日 9時) (レス) id: d3d904e778 (このIDを非表示/違反報告)
月夜弥(プロフ) - アレン君まじ尊い…天使ですか！？とっても可愛いです！このお話大好きです！ (2018年5月13日 22時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かがり | 作成日時：2018年3月30日 18時
