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「お、ユーくん!」
「刻むぞウサギ」

 帰り道に遅れて渋々神田が来るとラビがバシッと背中を叩き挨拶をし、神田に竹刀で滅多打ちにされていた。思わずAは吹き出し、神田に浮いているあたりを睨まれギクリとする。

「誰が今笑いやがった!」
「ラビじゃないんですか?」
「いや濡れ衣!」

けろりと嘘をつくアレンにAは内心舌を巻いていた。ポーカーフェイスが凄すぎる。ラビはまたもや神田の餌食になっている。何やかんやありしばらくしてラビと別れ、アレンの家の近くまで来た時リナリーが思い出したように話だした。

「そういえば今年は夏祭りと灯篭流しの日付が同じだよね」
「ええ、それまでにあの人が帰ってきてくれればいいんですけど」
「クロスさん逃げ足早いもんね……私たちも手伝うから、今年は夏祭り四人で回りましょ!」
「言っとくが俺は行かねぇからな」
「なんでよ神田、昔は二人で行ってたじゃない」

 じゃあラビにも伝えとくから、とリナリーは早足に駆けていき手を振っていた。本当に狡い人だ、神田が多少自分に甘いことを彼女はちゃんと分かっている。それでもリナリーと夏祭りに行けるという事実にアレンは浮き足立っていた。

「テメェ喜んでんじゃねぇよモヤシ」
「アレンです。別に喜んでませんよバ神田」

 神社の鳥居をくぐりご挨拶にべーっと舌を出すと神田と別れた。誰もいなくなったのを見計らったAがふよふよとアレンの元に姿を現し隣に並ぶ。勿論見えてはいないので、合図にAは声をかける。

「灯篭流しってなーに?」
「神主の義父が毎年行なっている行事で、供え物を流したりして死者の魂を弔うんですよ」
「ふーん、行ったら何か私のことわかるかな?」
「僕たちと一緒に行きます?」
「……いいよ、ひとりでいるから。会場であったら声かけてね!」

 本当は少し期待していた。二人で行こうと言ってくれるのではないかと狡い期待をしていた。折角リナリーに誘ってもらったのにそれを不意にするなんてありえない、分かっているつもりだった。まだ六月に入ったばかりで、祭りの日までは一ヶ月もある。

「でも、リナリーと一緒で良かったね」
「……バレてます?」
「当たり前だよ、アレンわかり易いもん」

 君が好きで好きで仕方なくて、毎日見てたんだからそりゃあわかるよ。バカだなあ、もう。

02→←あの青だけは永久に



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設定タグ:D.Gray-man , アレン・ウォーカー , 現パロ   
作品ジャンル:アニメ
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月夜弥(プロフ) - かがりさん» はい!暑いので熱中症には気を付けてくださいね! (2018年5月19日 11時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)
かがり(プロフ) - 月夜弥さん» 初めまして、暖かいコメントありがとうございます! これからもゆるりと更新しますので、しばらくお付き合い下さい! (2018年5月19日 9時) (レス) id: d3d904e778 (このIDを非表示/違反報告)
月夜弥(プロフ) - アレン君まじ尊い…天使ですか!?とっても可愛いです!このお話大好きです! (2018年5月13日 22時) (レス) id: 2435ed909b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かがり | 作成日時:2018年3月30日 18時

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