fighting ページ22
「どうしたんスか・・・」
しゃがみ込んで地面に手を伸ばす部長に声をかけた。
みんなもぞろぞろと集まってくる。
「これを見てくれ」
部長の手元を覗き込むと、1ミリ程度の細い溝が、人1人通れそうな長方形の形でできていた。
部長はその溝に爪を入れ、動かせないか試している。流石に持ち上げられそうになかった。
「うーむ、この下に何かあると考えるのが妥当でござるか?」
「そうだね・・・コンクリートなんて壊せないし、持ち上げられないから、確かめられないけど・・・」
「こんなに硬いんじゃ、レンチでも壊せそうにないぞ」
会議から持ち帰ってきたレンチでその部分をコツコツと叩く部長。
ひびでも入っていればいけそうなものだが、生憎そんな脆い校舎でもない。
まぁでも、もしかしたら一歩前進、したかも。
うちの学校、変に仕掛けが多いから見当はずれな何かかもしれないけど・・・
「何も起きないし、取り敢えず他のところも探すか!これは明日報告しておこう!」
立ち上がり、何もないと判断した部長はその場を離れた。
俺はその背中を見つめる。
「どうしたでござるか?翠くん」
不思議そうに首を傾げる仙石くんに、俺は首を振って答えた。
「いや、ちょっとだけ見直しただけ・・・」
ウザ絡みしてくる部長が、この一週間不意に真面目な顔をしているところを何度か見て、そう思った。
「そうでござるか・・・♪」
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純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 普段穏やかな人ほど、怒ると怖いですから。 (2017年11月20日 18時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 純さん» きっと真顔…普段は笑みを絶やさないから絶対に怖いよ (2017年11月20日 17時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 弓弦さんはともかく、皇帝さんのガチギレする状況がわからないですね (2017年11月20日 17時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
Knight を護る騎士でいたかった(プロフ) - 純さん» 恐ろしっw (2017年11月20日 12時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
純(プロフ) - Knight を護る騎士でいたかったさん» 怒ってる間ずっと笑顔だろうな・・・ (2017年11月20日 12時) (レス) id: 2f1edb35cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:純 | 作成日時:2017年11月17日 20時