No.19 ページ19
ガラケーを弄り、時折河原の美しい水面を眺めていた。
すると、見知った番号から電話が来たので
時刻を確認してみれば既に12時を過ぎていた。
A『もしもし』
竜胆｢…聞いてやった｣
彼は少しの間をあけてからそう言った。
A『ありがと。で？どうだった？』
竜胆｢言っていいのかよく分かんねぇ。兄ちゃんにしては話が重かったから｣
A『でも話す覚悟があったから電話をかけてくれたんでしょ？』
嫌に追い討ちをかければ竜胆くんはため息をつき、
それから｢めんどくせぇな、テメェは｣と呟くのだった。
だが逆に言うと変に躊躇してくる方が面倒臭い。
A『…で？』
竜胆｢……兄ちゃんの…、っ…ち……ど…＿＿｣
ぷつ、と何かがきれる音がした。
私は耳からガラケーを離し画面を見ると真っ黒で、
自分の顔が反射して見えた。
まさか、電源がきれた？
センターボタンを連打するようにポチポチと繰り返し押すが、反応無し。
そっか、朝から充電があまり無かったものね。
仕方ないけど、肝心の聞きたい事が聞けなかった。
はぁ、直接聞きに行くか？
いや、今の時間帯では蘭が帰ってきている為行きにくいな。
今頃竜胆くん、なんだよアイツウザとでも思ってるんだろうな。
電源の切れたガラケーをショルダーバッグにしまい、そのままどこかフラつくようにして歩いた。
何をしようか、何が出来るのか。そう考えながら。
前なんて見えてなかった。
全てに気を取られていて、気づいた頃には目の前にトラックが自分に向かって走行していた。
思わずの出来事に足が動かない。
今なら走れば無事なはずなのに。
自分の体では無いかのような感覚に恐怖を覚えた。
大声を上げても、遅れてやって来たのは痛みだけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 395人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きー子(プロフ) - とうりさん» とても遅い返事失礼します！神作品なんて、、！そんな言葉を貰ってもよろしいのですか、？笑 嬉しすぎます🤍🤍 (2022年10月18日 23時) (
レス) id: 6b814512c9 (このIDを非表示/違反報告)
とうり - こんな神作品あったんですね、、。最高です！！応援してます！！！O(≧∇≦)o (2022年8月28日 11時) (レス) @page6 id: d85acabc90 (このIDを非表示/違反報告)
やよ - うわぁぁぁぁすき（ (2022年2月22日 20時) (レス) @page2 id: 5de3aa84ec (このIDを非表示/違反報告)
きー子(プロフ) - 心愛さん» 感情移入する程しっかり読んで下さっているとは！嬉しいです😭🤍これからも頑張りますね！ (2022年1月30日 21時) (レス) id: 6b814512c9 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - おもしろくて感情移入しすぎてやみそう。。、がんばってください！ (2022年1月30日 21時) (レス) id: 79fe9dbf9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きーちゅあ。 | 作成日時：2022年1月13日 3時
