ラピスラズリ②【0048】 (ページ41)

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すごく勇ましい男性の声に私たちもDES兵も、思わず動きを止めた。停電しているはずなのに、会場への入場口から明かりが漏れている。

黄色や青、緑にピンク。瞬きする間もなくサイリウムがロケットのようにDESの機体へ飛んで行った。更に二階席にもサイバー、サイバー、と威嚇するような声。ヤンキーの学ランみたいな格好をした人たちがサイリウムを持って並んでいた。

彼「WOTA(ヲタ)だ！」

凪「WOTA？」

鈴「あの服、劇場でも見たことあります！」

彼「彼らは……本当に危険なときには一緒に戦ってくれる、ファンの人達なんだ」

凪「一緒に戦ってくれる！？」

サイリウムを両手で握りしめ、今しがた苦戦を強いられていたDES兵の目を逸らしてくれる。………すごい。

大好きな00のために危険を承知で戦うなんて。まだ研究生の私さえもサポートしてくれるなんて。ああ、なんだかとっても。

「力が湧いてくる」

▼TAKAMINA

『たかみなさん、あとはお願いします』

『それとね。織音、マイク持ってないの…』

Aからファンを避難させてくれと頼まれた。それはあの、Aと出身・苗字が同じ女の子。ウチに握手しにきてくれた彼女だった。

気になることを、気にしている場合じゃない。だって楚方からは織音が武器を持たずにいることを告げられたから。彼女にしっかり掴まってもらい、安全地帯までセリーをとばす。その後、また猛スピードで織音の所へ向かった。

「織音ぇ！」

「たかみな先輩！この方をお願いします！」

織音はウチが渡したマイクをしっかり握りしめる。そしてサーベルにして戦場へ駆けて行った。

「大丈夫ですよ、あの子は」

彼女が今まで護っていたお客さんは思わず手を伸ばしていた。それも心配そうに。ウチはその人へフォローを入れる。

あの姿を見ればもう平気。織音も気づいたんだってわかった。

そうだよ。アンチは教えてくれるんだ。自分に足りないものを。自分じゃ気づかない、自分の背中を。

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【ミサイリウム】

通常のサイリウムよりひと回り大型。小型のロケットモーターが内蔵されている。射程距離は短いが、自動で追尾する機能がある。火薬は、周囲への被害を最小限に留めるよう特殊処理済み。