*Bonds*16

４ ページ22

翔side


・


仕事の打ち合わせが終わり，楽屋に入ったら…。


「え…？」

慌てた様子の知念。

そして，その側のソファに…………



「えっ，松潤？？」


顔を真っ赤にして，毛布に包まれてる，
彼の姿があったんだ。

慌てて駆け寄ったら，開かれていた大きくて潤んだ目が，
段々閉じていって……。



一気に，クタッとなってしまう。


「あの…っ，櫻井くんっ。」

「あ，大丈夫。ありがとね，毛布。」

「いえ，潤くん大丈夫ですか？」

「…んー，たぶん。たぶん風邪だよ。」

「やっぱり尊敬します。潤くんは。トップアイドルでも，本当に周りのことばっかりで。優しくて真面目なんですね。」

「そーかな。」

「そうですよ。じゃあ，俺この辺で失礼します。」



ペコリと律儀にお礼して，知念がいなくなった楽屋。

静かな空間に聞こえるのは，
松潤の荒い呼吸と，時折している咳だけ。



「やっちゃったなぁ。」

かなり，熱くなった額にふれて，そっと息をはく。


「松潤。」


「……げほっ，げほ…。」


「やっぱりあなた，すげーよ。めっちゃ尊敬されてるじゃん。」



こんなあちぃのに。

きっと，「スタッフに迷惑かけるから」とかで，仕事行こうとしてたんだろ？


何年一緒にいると思ってんの。

俺だって，松潤のことちゃんと見てるんだから。

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す