*Bonds*16

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翔side


・


『櫻井さん…っ！』

そんなせっぱ詰まった声のあと，


＿聞こえた言葉。





「え……。」



思わず，そう聞き返してしまう。

……ニノが，事故にあった。


…その言葉が，ぐるぐる頭を回り続ける。


『でも，大丈夫。お医者さんは，容体はそこまで酷くないっておっしゃってました。』

「うん。」

『けど…相葉さんが……。ずっと泣いてて。口もきけない状態なんですよ。おそらく，二宮さんが相葉さんを庇って，事故にあったのかと……。』

「分かった。え，そこの総合病院？」

『はい。裏口から入っていいみたいですよ。』

「今すぐ行く。」


ちょうど，今日の仕事も終わったところだ。

スマホを見ると，とりあえず，歩いて近くの総合病院まで向かった。




ニノの怪我の具合も少し不安。

骨折しちゃってたら，お世話も大変。だけど，お世話が嫌ってわけでもないんだけど…。



それよりも俺がもっともっと不安なのは……

「雅紀…。」



頭に，あのキラキラした笑顔が浮かんだ。


そう，雅紀のこと。

マネージャーが言ったとおり，彼は相当落ち込んでるみたい。


一緒に歩いてて，もしニノが雅紀を庇ったんだとしたら。




事故にあったニノを，雅紀は，『目の前』で見たことになる。


落ち込み…もあるけど。

それ以上に，繊細な心にとって，かなりのショックだったんじゃないかな。

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