*Bonds*16

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和也side


・


「相葉さんっ…。」

気づけば，周りの目なんて気にせず，そう叫んで。

思い切り，手を伸ばした。



ドンッ


手に走った感覚に，


『守れた…。』

襲ってくる安堵感。


それと同時に体の力が抜けて，横断歩道の真ん中に座り込む。




「にの…っ。」

「………っ。」

「ニノ………ーーー！」


知ってる…バイクがつっこんできてること。

けど…



体が動かない。


ぎゅーっ




バイクがぶつかる直前。

慌てた顔をした，少しちゃらい感じの運転手と目があって。


ガン…ｯ！




体が一瞬宙に浮くのを感じた。


「……。」

声を出したいのに，声が出たい。




「ニノっ…ニノニノ，死なないでっっっ。」

そんな，大好きなあなたの声に答えてあげたいのに。

大丈夫だよって，笑いたいのに。


固まってしまったように，動かない体。

作れない笑顔。




そして，なにより，
どこが痛いのかも分からないくらい，全身が痛くて。




「……っ。」

ずっと，相葉さんの顔を見つめていることしかできなかった。


段々霞んでいく，相葉さんの顔。


段々聞こえなくなる，周りの人たちの声。




「…………。」


目の前が一気に真っ暗になって，
相葉さんの顔も，ついには見えなくなってしまった。

３→←その笑顔を永遠にしたくて＊和也

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