*Bonds*16

心に灯りを ページ12

ショコラさまリク


・


翔side


「しょーちゃん。」

「え？あ，ああうん。なに？」


新聞を読んでたら，突然名前を呼ばれて顔をあげる。


「俺さ。ちょっと自販機で飲み物かってくるわ。翔ちゃんもいるー？」

「んっと，俺はオレンジジュースで。」

「あひゃひゃ，かわいいもん頼むねぇ。」



いつも通り，扉の向こうに消えていった雅紀の姿を。

俺は，本当にいつも通り，見つめてた。


このいつも通りが………





・






・






いつも通りじゃ…なくなるのは…




あと，『どれくらいで』なのだろうか。

そんなの知るよしもなかった。


・


「おはよー。」

「…あ，リーダーか。」


おかしい……。

さっきから扉が開くたび，顔を上げてる気がする。


けど，楽屋に入ってくるのは，雅紀じゃない。




松潤，ニノ………。

そして，とうとう智くんまでやってきて……………。




見上げた時計は，雅紀が出て行ってから，20分たったことを示していて，
なんだか胸騒ぎを感じてた。


「遅いねぇ。」

「ほんっと，あの人，どこの自販機まで買いにいってんのか。まさか迷子じゃないでしょうね。」


冗談交じりで言うニノの声も，必死に，胸騒ぎを否定してるだけ。

この場にいる，全員が不安に感じていたとき。





コンコン


響くノック音。



まさか，雅紀が楽屋の扉をノックするわけないから。

「はーい。」

ここは，いつも通りの返事で返す。

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