・ ページ5
『……ん、ふぁ……』
朝。カーテンの隙間から漏れる光で、目が覚める。
もぞりと布団から抜け出して、小さく伸びをした。
ベッドの側に置いてある時計を見ると、時刻は五時半。
いつもよりだいぶ早い時間に起きた自分に、思わず苦笑する。……どれだけ楽しみにしてるんだか。
『……取り敢えず、着替えようかな』
時間になったら、エースくんたちが呼びに来てくれるって言ってたし。
それまで適当に時間を潰していよう。
そう思いながらベッドを降りて、クローゼットの方へ向かう。クローゼットの中には、レオナさんやカリムさんから頂いた服が綺麗に並べてある。
その中から少しだけお洒落な服を選んで、それに着替えた。
『ん、似合ってる』
ヴィルさんから貰った、全身がうつる鏡の前でくるりと一回転。
膝下丈のスカートが、ふわりと揺れた。
髪の毛も、ちょっとだけ巻いてみたけど。……褒められると良いな。
なんて思いながら、ベッドに腰掛けてぼーっと窓の外を見ていると。
「Aー、いるのかだゾー?」
『はーい。……!グリムちゃん、呼びに来てくれたの?』
こんこんと扉を叩く音と、それから特徴的な語尾。
返事をしながら扉を開けると、足元でグリムちゃんが私を見上げていた。
グリムちゃんを抱き上げて首を傾げると、「そうだゾ!早くパーティーに行くんだゾ!」と楽しそうに告げるグリムちゃん。
私は頷いて、グリムちゃんと一緒にハーツラビュルに向かうことにした。
『あ、先生たちもお祝いしてくれるの?』
「アイツらだけじゃないゾ!オレ様もちゃーんとプレゼント用意してるから、楽しみにしておくと良いんだゾ」
『そっかぁ。ふふ、楽しみにしてるね』
グリムちゃんの喉を撫でながら笑うと、小さく音を鳴らしてグリムちゃんは笑った。
ゆっくりとハーツラビュルへの鏡舎を潜って、グリムちゃんに案内してもらいながら、薔薇がたくさん咲いた迷路へと入る。
「……オマエ、なんか雰囲気違うんだゾ?」
『ふふっ、気付いた?……ちょっとだけ、髪の毛巻いてみたんだ。どう?』
「綺麗なんだゾ」
抱き抱えたグリムちゃんが、私の揺れる髪を見てぽつりと溢す。
それに答えながら微笑むと、綺麗な青い瞳が私を真っ直ぐに見つめた。……そっか。
間髪入れずにこたえられて答えられて、少し吃驚したけど。
『嬉しい。ありがとう、グリムちゃん』
「どういたしまして?なんだゾ!」
3388人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時