・ ページ30
アジアンテイストな衣装は、袖がひらひらとしていたり首に長いネックレスが付いていたり。今までのとは少し毛色が違った。
若干尻尾を引きずりながら談話室へ向かう。
これが最後の衣装かな？なんて思いながら中に入ると、リリアさんが嬉しそうに笑った。
「やっぱり似合っておるな。くふふ、ディアソムニアに来ても良いんじゃぞ？」
「あぁ、僕たちはお前をいつでも歓迎しよう」
マレウスさんも笑いながら、ゆっくりと私の手を取る。くるりとマジカルペンを動かせば、後ろの尻尾が少しだけ浮いた。
頭を下げて微笑めば、シルバーさんとセベクくんも私の元へ来る。
私を見下ろして、二人は優しく笑った。
『この角、マレウスさんの角みたいで格好良いですね』
「！……僕の角を格好良いと言うのか？」
「そうだろう！若様の角はこの世の何よりも格好良くて美しいだろう！」
帽子の角を触りながら笑うと、マレウスさんが驚いたように目を見開いた。その後ろではセベクくんが自慢げに頷く。
その様子がおかしくて、『ふふっ』と笑いがこみ上げてきた。
『はい、マレウスさんの角は格好良いですよ？』
「……そうか。怖くはないのか？」
『怖いわけないです』
マレウスさんの問いにきっぱりと答えると、マレウスさんは嬉しそうに「そうか」と笑った。
いつの間にか隣に来ていたリリアさんが、慈しむような目で私たちを見つめる。
「マレウスは素直な褒め言葉に存外弱い節があるからのう。もっと褒めてやっておくれ」
「リリア、揶揄わないでくれ」
「おっと、こりゃすまんの」
私を見上げ悪戯っぽく笑ったリリアさんを、マレウスさんがじとーっと見つめる。
語尾に音符でもつきそうなほど楽しげにリリアさんは答えた。
……えっと、これで衣装は全部かな。まだ別室にはいくつかあったけど。
『クロウリーさん、別室にあった他の衣装も着ても良いですか？』
「えぇ、勿論。他の衣装も是非着てください」
殆どが生徒もしくは先生たちの罰ゲーム用なんですがね、とクロウリーさんは呟いた。
私は頷いて、別室へと駆ける。
次に着たのは、足首まで覆う大人しめのワンピースと顔の周りを覆うベール。
所謂、シスターと呼ばれる人たちの衣装だ。
胸元には、十字架のペンダントがきらりと光る。それから、聖書のような分厚い本を持って。
私は、談話室の扉をノックした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3388人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (
レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません？……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか？最高楽しい幸せ癒しです！ (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女！？！？まどマギですか！？！？！（覚えてない） (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます！！ (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2020年10月23日 0時
