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「はいはい、生徒を口説かないでくださいねクルーウェル先生」
「口説いていないだろう」
「どこからどう見ても口説いてましたよ。全く」
クルーウェルさんの頭を叩いて、クロウリーさんが顔を覗かせる。
呆れたような物言いに、クルーウェルさんは不満げに声を漏らした。
その拗ねたような口調が何だか可愛らしくて。ふふっと笑うと、頭に軽くチョップされてしまった。
「次はトレイン先生たちですね」
「あぁ。……誕生日おめでとう」
クロウリーさんの言葉に頷いて、バルガスさんとサムさん。トレインさん前に出てくる。
それぞれが私に差し出したのは、ルームシューズと腕時計。それから、携帯電話だった。
ルームシューズはもこもこしたピンク色で、猫の顔がついていた。可愛らしいデザインに、胸が躍る。早く使いたいな。
腕時計は、少しがっしりしたデザインだった。でも格好良いデザインだから、ずっと付けようかな。
「……やっぱり女の子が男物の時計つけるって良いね」
「同意だな。時計のごつさが、Aの腕の細さを際立たせている」
私が時計をつけたのを見たサムさんとクルーウェルさんが、そう言葉を交わした。
トレインさんからのプレゼントは、携帯電話。
恐る恐る手に取ると、トレインさんが小さく笑った。
「もう私たちの連絡先は入れている。何かあったら連絡すると良い」
『はいっ、ありがとうございます!』
携帯を胸に抱きしめ、ゆっくりと頭を下げる。
後ろで、エースくんたちが「後で交換しようぜ」と私に笑った。
それに頷いていると、クロウリーさんが口元に笑みを浮かべながら私の前に来る。
「私も、プレゼントを何にしようか迷ったんですがねぇ。……貴女のお願いを一つ、叶えて差し上げることにしました」
『……お願い、ですか?』
「えぇ。何でも良いですよ?」
『なら、クロウリーさんの……仮面の下が、見てみたいです』
ずっと、気になっていた。その素顔は、どうなっているのか。
そう告げると、クロウリーさんは面食らったような顔をして。それからにっと口角を釣り上げた。
次の瞬間。私は、クロウリーさんのマントの中へと引っ張られる。
「仕方のない子ですねぇ。……一度だけですよ?」
私の耳元で、クロウリーさんが囁く。小さく頷くと、微かな笑い声。色気たっぷりなその声に、身体が震えた。
そんな私を抱き締めたまま、クロウリーさんが仮面に手をかける。
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さ - 夢主に恋愛感情持ってるやついるの草ァ…カリムはともかくレオナとか絶対分かっててあげてるだろ。 (2022年6月6日 23時) (レス) @page17 id: 745f3a4c41 (このIDを非表示/違反報告)
麗亜 - 犬って女の子も、good booyって言うらしいです。 (2022年1月10日 17時) (レス) @page18 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - 誕生日会……最高すぎません?……素晴らしすぎて終始微笑んでるんですけど。ほかの作品も順に見てるんですが、主様。天才脳をお持ちでは無いですか?最高楽しい幸せ癒しです! (2020年11月28日 12時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
零夜(プロフ) - 鬱アニメ、某魔法少女!?!?まどマギですか!?!?!(覚えてない) (2020年11月27日 0時) (レス) id: be63cd896a (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - チーズ鍋さん» ありがとうございます!! (2020年11月22日 23時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2020年10月23日 0時