醜い少女 5 【短編集】【ツイステ】

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私たちに背を向け、学園長が仮面を外した。


マントにくるまれたAちゃんの顔も見れないが、それでも吃驚したように身体を震わせる。


少しして、学園長の「皆には、内緒ですよ」と聞いているこちらが胸焼けしそうなほどの甘い声の後。マントから、Aちゃんが出てきた。


Aちゃんは顔を真っ赤にさせ、その熱を冷ますように頰を手で仰ぐ。


その動きがとても可愛くて、気付けば携帯のシャッターを連打していた。ぱしゃしゃとうるさいくらいに音が響く。


Aちゃんは音に吃驚したように顔を上げ、私を見つけた。途端に笑顔を咲かせるAちゃん。




『ユウちゃん、何してたの？』


「照れてるAちゃん撮ってた」


『？そっかぁ』




恥ずかしいなぁ、とはにかむAちゃん。エースが隣で「お前は少しくらい嫌がれよ」と突っ込みを入れる。


Aちゃんはその言葉にきょとんとして、ふわりと笑う。




『ユウちゃんがすることで嫌なことなんてないよ』


「これが天使？」




ね、と私に笑いかけるAちゃん抱き締めるとAちゃんも不思議そうにしつつ、抱き返してくれた。


そんな私たちをいつものことかと笑いつつ、トレイ先輩たちが大きなケーキを持ってくる。イチゴ以外のフルーツが乗った、美味しそうなケーキ。


それを見て目を輝かせるAちゃんに、私は取り出したプレゼントを渡す。ピンク色の、小さなクマのぬいぐるみ。




「Aちゃん、誕生日おめでとう」


『ありがとう、凄く嬉しい。……こんなパーティーも、初めてだし。プレゼントも沢山貰って……』




そう目を潤ませたAちゃんに笑えば、泣きそうになりながらも笑うAちゃん。私たちは手を繋いで、トレイ先輩たちが待つケーキの元へと向かった。


幸せそうな顔でケーキを頬張るAちゃんを見ると、胸が熱くなる。


あぁ、本当に。貴女に出会えて良かった。




「Aちゃん、生まれてきてくれてありがとう！」








何でもある日ーー完ーー。








ー ー ー ー ー ー ー ー ー


サボテン→花言葉は枯れない愛、偉大


ネックレス→束縛したい


イヤリング→自分の存在をいつも感じてほしい


腕時計→あなたと同じ時間を過ごしたい


財布→いつも側にいたい


マフラー→あなたに首ったけ


お菓子→あなたに甘えたい




などの意味もあったりするそうです。そういった意味で送ったのかは、皆さんのご想像にお任せします。

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