家政婦から嫁になりました【灰谷蘭】

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明「どーする…店ん中入る？」


『…さすがに見つかるんじゃない？』


万「蘭達が出てくるまで待っててもいーけど…
A、気になんないの？」


『……気になる。』


万「じゃあ行こ！」



行ったらバレないか心配だったけど
2人が口を揃えて「大丈夫」って言うから
お店の中に移動することになった。

店内に入るとロビー的な場所で
すぐにスタッフがざわつき始める。

きっと裏でマイキーと明司さんの顔が知れてるから。



万「俺、超久々に来たかも。」


明「俺もー。つっても数ヶ月ぶりぐらい。」


ス「佐野様、明司様…今日は灰谷様がお見えに…」


万「知ってる。だから来た。」



すごく高級感あるクラブで
スタッフさんもかなり優秀な感じ。
だけどこの2人を前にして
緊張しながら対応してるのが窺えた。

明司さんがちょっと事情を説明すると
すぐに奥に通してくれて。

蘭さん達がいる席から
死角になっている席を案内された。

少し離れた斜め後ろ辺りから
あの2人の様子を見ることになる。

他の席にもお客さんがいて
どの席を見ても綺麗な女の子が数名付いてる感じ。

ただ、蘭さんがいる席はさっき見た女性と2人きり。

なんか…探偵でもしてる気分。



明「何話してっかは分かんねーな…」


万「そんなこともあろうかと、
蘭のスーツに盗聴器忍ばせといた。」


『…いつ？笑』


万「今日蘭が仕事出る前にアジトに来てさ…
俺が後ろから蘭に抱きついた。その時に。
すげー嫌がられた。」


明「やるじゃん…忍ばせ方ウケるけど。笑」


万「ってことで、明司が代表して聞いて！
俺、Aと楽しくお酒飲みたい♡」


『…………。笑」


明「いーけど。笑
まぁ…何事もなければほぼ仕事の話だろ。」


万「怪しい雰囲気になったら即教えてー。」


明「了解。」



耳にイヤホンを付けながら
向こうにいる2人に視線を向ける明司さん。

…何事もなければ。
もし何かがあったら、私はどうするんだろう。

明司さんが「序の口」って言ってたし。
何事もないことを祈りつつも不安は拭えない。



万「A…せっかくだから楽しもうよ。」



マイキーが私を見てにこっと微笑む。

そしてスタッフを呼ぶなり
またとんでもないことを言い出す。



万「ねーこの子着替えさせてくんない？
夜の蝶っぽいA見てみたい。」


『……は！？』


明「ふっ……俺も見たいかも。笑」


ス「……かしこまりました。」




事態はいつも、思わぬ方向に展開していく。


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