47p-終3 ページ17
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「好きだった…?それは彼じゃないわ。貴方は自分のことが好きだったのよ。彼を奪うことで私に勝ちたかった。」
「最初はそうだったかもしれない、でも私は!彼が、」
ふふふ、と悲しそうに笑い出す悪女(A)
「いいえ、そんな訳ないじゃない。仮にそうだったとしても、私は絶対認めてやらない。本当になんてしてあげない。許しはしない。貴方の愛は嘘、嘘、嘘!」
「やめて!やめて。好きだったの。お願い、お願いだから信じて…!信じて…?」
酷く顔を歪めて頭を抱える許しを乞う女。
これは清々しい終わりを迎える戦争なんかでは無い。他人の汚い心内を踏み荒らし、ぐちゃぐちゃにしても、まだ足りない様な。そんな醜い争いなのである。それだけのことを、してしまった。されてしまった。
ゆっくり、休息をとるようにしてふ、と吐息のように優しく笑った後、女は儚く言った
「さようなら」
と、
そう別れを言って、半ば絶叫し歪み崩れる女の耳元へ顔を寄せ、さらりと黒髪が女の頬を触れ霞む。
「何故私があの時貴方を殺さなかったか分かる?」
「彼が、生きてと、そう言ったから」
どさりと崩れ落ちる女。そこにはもう、絶望の色しか残らなかった。
ここに居る私は、花婦田壇嫁は、今は亡き彼によって生かされていた。そう思うだけで又ゾクリと底知れぬ恐ろしい恐怖に見舞われ、失念の色が体を巡る
立ち上がる女に向けて、顔を伏せたまま地面に向かって呟く
「…最後に笑うのは、貴方だったのね」
「ーー私は、最初から笑っていたよ。」
そして、女は花婦田壇嫁の心を回復不能なまでに捻り潰し。その役目を終える
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戓乃(プロフ) - 欺きにゃんこさん» ギャー滅茶苦茶嬉しいです、有難うございます…!逆に分かりにくくなってないかが最近の悩みです(´///// ` *) (2018年7月4日 15時) (レス) id: 7358168600 (このIDを非表示/違反報告)
欺きにゃんこ(プロフ) - とてもお話が凝っていて 面白いです。 続き待ってます (2018年7月4日 14時) (レス) id: 57e8984140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃 | 作成日時:2018年5月24日 6時