検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:6,603 hit

47p-終3 ページ17



















「好きだった…?それは彼じゃないわ。貴方は自分のことが好きだったのよ。彼を奪うことで私に勝ちたかった。」


「最初はそうだったかもしれない、でも私は!彼が、」


ふふふ、と悲しそうに笑い出す悪女(A)


「いいえ、そんな訳ないじゃない。仮にそうだったとしても、私は絶対認めてやらない。本当になんてしてあげない。許しはしない。貴方の愛は嘘、嘘、嘘!」


「やめて!やめて。好きだったの。お願い、お願いだから信じて…!信じて…?」

酷く顔を歪めて頭を抱える許しを乞う女。

これは清々しい終わりを迎える戦争なんかでは無い。他人の汚い心内を踏み荒らし、ぐちゃぐちゃにしても、まだ足りない様な。そんな醜い争いなのである。それだけのことを、してしまった。されてしまった。


ゆっくり、休息をとるようにしてふ、と吐息のように優しく笑った後、女は儚く言った


「さようなら」



と、


そう別れを言って、半ば絶叫し歪み崩れる女の耳元へ顔を寄せ、さらりと黒髪が女の頬を触れ霞む。



「何故私があの時貴方を殺さなかったか分かる?」








「彼が、生きてと、そう言ったから」




どさりと崩れ落ちる女。そこにはもう、絶望の色しか残らなかった。



ここに居る私は、花婦田壇嫁は、今は亡き彼によって生かされていた。そう思うだけで又ゾクリと底知れぬ恐ろしい恐怖に見舞われ、失念の色が体を巡る




立ち上がる女に向けて、顔を伏せたまま地面に向かって呟く


「…最後に笑うのは、貴方だったのね」





「ーー私は、最初から笑っていたよ。」









そして、女は花婦田壇嫁の心を回復不能なまでに捻り潰し。その役目を終える



















48p-罪と罰→←46p-終2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:デュラララ , 折原臨也 , 悪女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

戓乃(プロフ) - 欺きにゃんこさん» ギャー滅茶苦茶嬉しいです、有難うございます…!逆に分かりにくくなってないかが最近の悩みです(´///// ` *) (2018年7月4日 15時) (レス) id: 7358168600 (このIDを非表示/違反報告)
欺きにゃんこ(プロフ) - とてもお話が凝っていて 面白いです。 続き待ってます (2018年7月4日 14時) (レス) id: 57e8984140 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年5月24日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。