45p-終 ページ15
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なんだ、そのドラマみたいな話。
俺に一体どうしろって言うんだ
「どうしてそんな話を俺に?」
「…一つだけ挙げるとするなら、貴方が彼に似ているから。」
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私は今広い屋上のそのまた上の展望台へ上り空を一望している。
澄み切った黒と青の色、遠くにある夜の輝きが小さな粒と化して色めき出す東京。
「待たせたわねー!」そう言って上の私まで声をかける女。その勢いづいた声のトーンは成程自信があるらしい。
その声に反応せず空を見ている。
なにが面白いのかふ、と笑い始める女。その笑いは次第に増していく。
「ねえAー!貴方見る目が落ちた様ねー」
夜に響かせる様に大きく話す。ふ、と笑いながら話を続けるのを待つ。
「彼、直ぐ此方へ落ちたわ。貴方のモノ、ぜーんぶ私が貰ったことになるわ」
「ちょっと口説いただけで、良く私の為に動いてくれて。馬鹿みたいにチョロくて面白くって。」
口元に手を置き上品ぶって、下品に笑い散らしている。
この女は、自分の自慢したいことを我慢することを知らない。言いたくて言いたくて仕方が無いのだ。
「ああ、でも行き際に言われたの、A(貴方)のことを小賢しいと言ってたけど彼女は小賢しいことをするような女じゃない、って。」
夜の風が突き抜ける
その女はきっと加えて私(A)を裏切っておいて今更何言ってるのかしらね?と嘲笑したいのだ。そういう意を含んだ発言だと思うと、私は本当に笑うしか無かった。
「本っ当に傑作ね、愛する男を失いそして折原臨也は私の手に堕ちた。ふ、ははは!最高よ。ねえ?そう思わない?」
優越と嘲笑、そして雑多が混じった声を撒き散らす女。
上にいるAは前と同じ様に女に目を向けず夜景を一望し、夜風に揺らされている。
一体なにを思う?
「…」
小さく、笑う
「本当に、傑作だ」
悪役は一人でいい。
(「こりゃあ、悪女と悪女による戦争だよ」)
何時ぞや彼が言った言葉を思い出す
「戦争ってのは、どちらが死なないと終わらないものね。」
「…?」
下から不思議そうに上を見上げる
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これから私は、彼女を殺すことになる
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戓乃(プロフ) - 欺きにゃんこさん» ギャー滅茶苦茶嬉しいです、有難うございます…!逆に分かりにくくなってないかが最近の悩みです(´///// ` *) (2018年7月4日 15時) (レス) id: 7358168600 (このIDを非表示/違反報告)
欺きにゃんこ(プロフ) - とてもお話が凝っていて 面白いです。 続き待ってます (2018年7月4日 14時) (レス) id: 57e8984140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃 | 作成日時:2018年5月24日 6時