43p-必殺!肉球! ページ13
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「え、振られた?」
「え、うん。猫にだよ?」
「ああ、」
なんだ、そういうことか。いや、話の流れ的に絶対誤解する奴だろ。と心の中で小さく訴えた
「でー、それが四回目で、それからちょっと日が経った頃にひょっこり私の家に現れて。まるでここが私の家なのだーくらい堂々としててそっから一緒に住んでる。まあ侵入者対策にもなるしね〜まだ実戦してないからわかんないケド。」
と言いながらそのグレーの猫を抱える彼女。何故かしらそこが落ち着いている様子の猫
最後の一言は余計だと思いながら近況報告をし始める
「そろそろ決着を付けるって。そう言ってた」
「成程」
「凄い執着心だよ。大変だよねえ変な女に目付けられちゃってさー」
うん…と少し含んだ表情で猫を見下げる彼女、すると微かに何かが首元に白く透明に光るものが見えた。先程から感じていた違和感の正体がわかった
「ーーーねえ」
隣同士でソファーに座るAに覆い被さるように押し倒す
「…な、に?」
長い髪が横に流れて良く見えるようになる白い紫陽花のピアス。彼女は元々ピアスなどしない筈だ。
「そのピアス、なに?」
「これは、紀田に貰った奴で」
又ソイツ。
てことは、今日貰ったということでは確実に無い。彼女は耳を開けてなかったから。
「へえ」
ピアスの上から耳の下を甘噛みする。
ぅ、と小さく悲鳴をあげる彼女の腕を強く掴む。
「クッキーまで焼いちゃって、お熱いね?」
耳元で呟くように話す
「だか、それはお礼で」
「どうでもいい、どうでもいいよ。」
そう言って顔を上げ彼女へと真っ直ぐ顔を下ろす
「いざ、ま」
ぴた。と
柔らかな感触が皮膚に伝う。
視線を又下に下げると存在を忘れてた、というか気にしなくていいと判断した猫が、そしてまた俺の顔にぴったりくっつけられた猫の前足が。
「……」
はあ、と溜息を漏らして体を上げる。
「優秀な猫君よ。褒めて遣わす。」
なんて茶化し始めるとシラケた気分が更にシラケる。それで良かったのかもしれないけど。
「ふっふ、嫉妬でもしたの?今日は一段と過激派だったね。久しぶり効果かな?」
「煩いよ。」
その彼女の嬉しそうな声のトーンが俺達をいつも通りの空気へ戻した。
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戓乃(プロフ) - 欺きにゃんこさん» ギャー滅茶苦茶嬉しいです、有難うございます…!逆に分かりにくくなってないかが最近の悩みです(´///// ` *) (2018年7月4日 15時) (レス) id: 7358168600 (このIDを非表示/違反報告)
欺きにゃんこ(プロフ) - とてもお話が凝っていて 面白いです。 続き待ってます (2018年7月4日 14時) (レス) id: 57e8984140 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃 | 作成日時:2018年5月24日 6時