元カノは平常じゃない。 ページ11
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「中也くーん、飲んでるぅ?飲んでない?ホント?じゃあ、可愛いお姉さんが飲ませてあげるぅ!く・ち・う・つ・し、で」
「やめっ、こっちくんな!」
中原の仕事をAは少しだけ手伝った。
書類整理等の事務仕事だがAは尋常じゃなく早く終わらせた。
これが終わったら酒が飲める、とか思ってたからだろう。
そして、今。
帰宅した(中原家に)二人は直ぐに酒を開け飲んだ。
勿論、中原はノンアルで、酔ったAをぶっ殺せる機会を伺っている。
…が、絡み酒の恐怖を中原は知らない。
「ちゅーやくん。綺麗なお姉さんがキッスしてくれるって云ってるんだよ?逃げる事ないじゃない、ほら、ほら、ほら!…あ〜!ちゅーやくん好きな人居るのぉ?!」
急に話が変わり、意味不明な行動に付近の人は巻き込まれる。
それが絡み酒の恐怖。
太宰は既に何万と経験したが中原は何時も泥酔して記憶がない為、絡み酒の恐怖とは初の御対面だ。
幸い、中原には重力操作があるから押さえつけてられるが。
「あぁ!そ〜だ!太宰も呼ぼう!そして、宇宙の果てまで飛んでいこう!そして落ちるのよ!空から地球を見てみましょう!!」
あーっはっはっはっは、とAは一杯、もう一杯と酒を体内に注ぐ。
助けて、その文字が中原の頭を埋め尽くす。
この地獄から逃げたい、いっその事死んだら楽になれるだろうか、と思考が可笑しくなる。
「ちゅーや君!卵をレンジで茹でてみよ〜う!はい、レンチン!」
「はぁッ!?」
何時の間にか重力操作が緩くなり、Aは冷蔵庫から卵を取り出してレンジに投げ入れた。
バンッ、バンッ
発砲音みたいな音が電子レンジから聞こえてくる。
数年前、給湯室で聞いた音と何の変化もない。
「俺の、俺の新品の電子レンジが…」
中原は膝から崩れ落ちた。
「あっら、ちゅうやくん。如何したのぉ?あぁ!お腹痛いのか!お姉さんが看病してあげるよ!…お腹が痛いなら背中を痛くしたらどっちも痛くなって何も感じなくなるよね!!」
Aはそう云うと机に置いてある、空き瓶を持ち上げた。
「お、おい…、止めろ、な?俺が大切なら、お、おい」
中原は手の力で後退る。
「一発で終るよ!ちゅうや君!そしたら一緒に酒飲もう!」
Aは瓶を振り上げ、振り下ろした。
その日の夜、近所に女の笑い声と男の叫び声が響き渡った。
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絡み酒の恐怖(太宰命名)
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シュピーゲルアイ - 大好きです。更新待ってます。 (4月9日 21時) (レス) @page37 id: af33028691 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 好きすぎます (2月20日 3時) (レス) @page37 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
米粉めこ - 最高です!面白すぎて腹筋こわれましたwww (12月10日 18時) (レス) @page36 id: 29094487c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こういうお話好きです!続き待ってます!!! (2022年9月18日 16時) (レス) id: f16cf667ce (このIDを非表示/違反報告)
遠藤氏(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» 自分も笑ってこようって思いまして、入社試験の回を読もうと思ったらどれが入社試験の回なのかわからず、どうしてこんなサブタイにしたのか後悔してますwww (2022年7月30日 18時) (レス) id: d7905a84e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年5月13日 20時