【文スト】 太宰の元カノはアホ過ぎる 【太宰治】

元カノは二日酔いじゃない。 ページ12

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朝。


割れた硝子瓶、卵が爆発して中の側面にへばり付いた電子レンジ、零れる酒。

可哀想な中原の家である。


ガンガンと頭を打ち付けるような二日酔いを見事に収めた中原は目が覚めた。

自身の家の惨状を見て、一言。



「…夢で、あってくれ」



昨夜の出来事を思い出すと涙が出てくる。

Aをぶっ殺せなかった、俺の新品の電子レンジ、アルコール入りの酒を飲んでしまった、と後悔が後悔を生み後悔になった。



「おい、おい、起きろ。水原」

隣にワインボトルを持って寝ているAを揺する。



「あ〜、あと二時間」


「…マフィアの屋上から突き落とすぞ」


「ホント！？」



中原の発言にAは飛び起きた、マジか此奴。

それぐらい、空が飛びたいのだろう。



「嘘だ。それより、早く家から出てけ。俺は仕事だ」


「はぁい」

すんなりと了承して風呂場に向かうA。



「手前、シャワー浴びる気か？」


「あったぼうよ！」



既に全裸のAは直ぐに風呂に入り、シャワーを浴びた。



「あんの、糞アマ」



中原は痛すぎる頭を押さえながら仕事の準備をする。

それが終わったらシャワーの準備をし、Aが出て直ぐに入れるようにまた準備。


数分後、Aが風呂場から出た、その姿はタオル一枚。



「服を着ろ！！」


「いや、御免て中原。君の服を頂戴して着ようかと思ったら小さくて着れんかった。家、直しとくからシャワー浴びて仕事行けって！」



お前を地獄に逝かせてやろうか、と中原は頭を過ったが二日酔いが辛いため、諦めてシャワーを浴びに行った。



「絶対に、何も、壊すなよ」



そうAに釘付けして。



「あいあいさ〜！」

タオル一枚を躰に巻いた姿で、ワインボトルを持ち、野球の素振りをしようとするA。



取り敢えず中原は殴ろうとしたが避けられた。




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