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| CSS 困った時のホムペツクール←

いつも書いてる小説とは全く関係ございません。

今回はトドちゃん!

暑い季節になってきたので浮かんだものです。


CSSは零様より

背景画像は夢様より
『暑……っ』


夏は正直なところ苦手だ。

ムシムシするし、肌べたつくし、食欲は落ちるし。


コンビニのバイト帰り。

左手にはコンビニ弁当。

にゃあん、と野良猫が鳴く。

パタパタと手で顔を歩きながら、薄暗くなりかけた街を一人歩いた。



今日はやけに人が多い。

可愛い女の子が浴衣を着て、男の人が寄り添うように歩いてる。



地面に落ちた一枚のチラシ。

鮮明で色とりどりの花火の写真が、何枚か載せられている。

嗚呼そうか、今日から2日間。夏祭りがあるんだったっけ。

顔を少し上にあげると、お決まりのお祭り提灯が仄かな灯りを灯した。



『夏祭り……。』


ぽつり、呟く。

この街に引っ越してからもう3年たったというのに、夏祭りの存在というものは私の頭から消え失せていた。

彼氏なし歴イコール年齢。

こういうイベントに一人で行くのはあんまりだし、そもそも恋愛沙汰には興味がない日々を送ってきた。



ふわり、と私の横を通り過ぎた子供の綿飴の甘い香り。

それと同時に、お腹がきゅうと小さく音を立てる。



『……ちょっとだけなら』






祭囃子が聞こえてくる。

いい匂いが私の周りに漂っていた。

誘惑の数々に私は目を一度は奪われ、そして金額を見て落胆する。


コンビニでお弁当を買ったことによって、今の私の所持金は300円しかなかったから。

家には貯金している分があるから取りに行けばいい話なんだろうけど、やっぱりめんどくさい気持ちが勝つ。

しかし、お祭りの屋台には400円の文字は多く見つけても、流石に300円の文字は見当たらなかった。



『……はぁ。』



来て損した。


いや、元から来なければよかったんだ。

いつも避けてきたイベントなら、無理に手を出す必要性はなかったんだ。



はぁ、と思い溜息を吐いて、踵を返そうとしたとき。







ト「かき氷ありますよ!」


騒めく祭り客の中で、かき氷を宣伝する声。

私は反射的にそちらを向いた。



『かき氷……。』



嗚呼、でもまたお金足りないかも。


ト「あれ、お姉さん買うの?」

『へ?』


そこにはさっきまで宣伝をしていた男の人。

吃驚してきょろきょろあたりを見ると、気が付けば屋台の前に出ていたようだ。


ト「もーっ、アツシくんってば、僕残してどこ行ったんだよもう!

僕だって花火見に行きたいし!

あっ、何味食べる?」


ぷぅ、と頬を膨らませたかと思うと、パーフェクトな営業スマイル。

男の人の代わり様に驚きながらも、私はシロップの列を眺める。

シロップはメロン、ブルーハワイなど色彩様々。



『て、店員さん。』

ト「うん?どうしたの?」

『店員さんのおススメは?』



そう言って顔をあげたとき、店員さんの瞳と私の瞳が、かちりと合った。



ト「僕のおススメでいいの?」

『え、あ、はい……。』


すると、店員さんは、


ト「分かった。

特別サービスしちゃうねっ」


営業スマイルではない、柔らかな微笑みを浮かべて。

その姿に、どきり、とした。



店員さんは手際よく氷をカップに盛り、ピンク色のシロップと練乳をかけた。



ト「はいっ」

『あ、ありがとうございますっ

えっと、お金……』


あせあせとポケットの中をあせると、「いいよ」と店員さんが制した。


ト「今、ここにこの屋台の代表さんいないし。

僕からの奢り、ってことで」

『でも、申し訳ないです

折角サービスしてもらったのに……』

ト「君、律儀なんだね」



ふふっ、と可愛らしく店員さんは笑うと、かき氷と同じ色のハンドタオルで手を拭きながら、





ト「じゃあさ、明日僕お店の担当じゃないんだけど。

明日、僕と一緒にお店回って貰える?」

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作者名:絵琉 | 作成日時:2017年5月26日 17時

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