【日替わり】記念日と私【探偵チームＫＺ事件ノート】

12種類の結果パターン

本日は誰とどんな記念日を過ごしますか？ - 2024年5月1日

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本日は幼馴染の美門くんとの過去から抜け出しませんか？

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I LOVE J K
あい、らぶ、じぇい、けー

相手の名前と自分の名前の間にあんどを入れて、その文字数分IからKの順番で進める。通称、指恋占い。小さい時に、こんな話を幼馴染とした。小さい時とは言っても、今も私は思いだすことができるのだから割かし最近なのかもしれない。記憶にはさすがに靄がかかっているが。

「翼と私は“J” だね。」

本当は好きだった翼と私の相性はＪ、つまりは最悪。そんなのを真に受けるな、と嗤われてしまいそうだけれど私からしたら死活問題だったのかもしれない。少なくともその日は横を向いて寝た覚えがある。上を向いてしまうと、嫌でも涙で満たされてしまうから。

「私たちは」

まるで私が言おうとしていることが分かったかのように、否きっと分かったのだろう。正確に、もちろん一字一句違わず汲み取った彼。

「付き合うことはないよね」

これが、純粋ゆえの残酷さとかいうものなのだろう。どこまでも幼気で、だからこそ幼さは凶器だ。刺さればなかなか抜けない。血の代わりに潮っぽい水滴だけが流れていく。離れない、君の言った十一文字。はっきりした拒絶の言葉。悲しそうに笑った君。
分かっていたのだろうか、私を傷つけると知っていて翼は刃渡りが短いナイフを投げつけたのだろうか。

翼、いつの間にそんなに背が伸びたの。
私より高くなって。距離がもっと、離れていく。
翼、いつの間にそんな大人になったの。
私はまだ、過去に取り憑かれてるのにね。ほら、距離がまた離れた。

気づいたでしょう、私が見ていたのは昔の翼だけ。ねぇ翼、いつから翼は他の人を愛しているの。きっと答えは最初から、だ。この質問をすることはないだろうし、するつもりもない。けれど、あの時の翼のように、あなたの思いが手に取るように分かる。気付くのが遅すぎる、と翼はもう待っていてくれはしないのだろうか。
私の中の翼は昔の翼で
翼の中の私も昔の私。いつまで過去に囚われてるんだろう。

「･･･あい、らぶ、じぇい」

時が経とうと、指を進めてはくれないの。あいらぶじぇい。

「じゃあ、こんなのはどう？」

ひょこ、翼が後ろから顔を出した。

「あいらぶじぇいけー、きすでーと。」

止まった私の指は、
LOVE、愛で止まっていた。

「もうYOUは、過去のYOUなんかじゃない。」

私たちは、私たちらしく。未来を歩めばいい。


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