【銀魂】沖田隊長、【日替り】

10種類の結果パターン

もっとイチャつかせろィ - 2024年5月7日

・


…空を見上げれば、灰色の雲が江戸に蓋をするように覆っていて、お昼頃だというのになんだか暗かった。今日は非番だったため、私は特にやることもなく、部屋の前の縁側に腰掛けてそんな空を眺めていた。冷えた空気の中に吐息をはくと、白い蒸気がふわりと浮かんだ。

そういえば、私が真選組に入隊した日も、こんな寒い日だったなぁ、なんてことをふと思い出していれば、「よー」と気の抜けた声が聞こえてくる。


「沖田隊長」

「暇してんのかィ」

「そうですね、やることもないですし、てか、沖田隊長仕事は」


私は非番でも、隊長には仕事があるはずだ。そう指定すれば、知らね、とかなんとか。知らねじゃないよまったく。この人が今日サボった分は恐らくは明日私がやることになるのだから勘弁して頂きたい。


「もう、それで、おサボり隊長は何をしてるんですか」

「俺も特にやることねーんで、」
「仕事は」

「…取り敢えずお前に会いに来た」


と、隊長は私の隣に腰かけながらにそう言った。


「…会いに来たって、今朝も会いましたよね？」

「朝だけだろィ」


足りねーんだよそんなんじゃ、と。
そんなことをまた今日も照れもせずに言うものだから、私ばかりが焦ってしまう。頬に熱が集まるのが分かる。空気は冷えているのに、胸の中はホカホカ暖かい。

…沖田隊長のストレートな言葉に一人ドギマギしていれば、彼は床に置かれていた私の手にそっと自分のを重ねた。


「おきっ…」

「冷めて」


私の手に触れて、そのまま握ると、隊長はその手を誘導して自身の口元に持っていく。そうして、はぁ、と暖めるように吐息をかけた。


「なっ…！？…たいちょ…」

「あったかくなんだろィ？」

「いや、え……ええ…！？」


暖かいけれどそれにしたって……ええ！？

みたいになっていれば、そんな私をからかうようにクツクツと笑って、沖田隊長はそのまま私の指先にちゅ、とキスを落とした。

触れられた部分が熱を帯びて、赤く染まっていく。


「ッ、」

「……ほら、熱くなってきた」


もっとしてやろーか、なんて言う彼に結構です、と返すも、その手を振り払うことはどうしてか出来なくて。


満足そうに笑う沖田隊長は、それから暫くの間、手を離してくれなかった。

この作品には10種類の結果があります

お気に入り登録で明日違う結果をチェックできます

占いを作る｜感想を書く
他の作品を探す

ブログに結果貼り付け：