雲間の傍観者【あんスタ】

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初めまして、陽毬といいます。
この度は初投稿です……！慣れないながらも友達にお世話になりながら何とか仕上がりました。ありがとう！

今作のテーマは「空」なんですが、圧倒的死亡率でお送りしてます(笑)。苦手な方はブラウザバックしてください。尚リクエストは受け付けてません。

今作では私の他に二名の作者さんに寄稿をお願いしました。よければそちらもお楽しみ頂ければと！

『member(敬称略)』

○陽毬
・月永レオ
・天祥院英智
・衣更真緒

○ルナ
・朔間凛月

○橙野ゆず
・瀬名泉

5種類の結果パターン

あなたの本日の占い結果です - 2024年5月11日

水晶玉ってね、反射して綺麗に光るでしょ？でもそれはね、私達も一緒なんだよーー

いつか聞いた、彼女の言葉だ。そう語った彼女は、淡く儚く、少しでも干渉すればボロボロと砕け散ってしまいそうな位に弱かった。そして、そんなやわい肩を抱けない程、僕も弱かった。

もしかしたら一生輝けずに、くすんだ色のまま一生を終えるのかもね。意味が分からないと言った具合に小首を傾げてみても、彼女はそれにさえくすりと微笑を漏らしては視線を僕から反らす。人間は、酷く聡明で、酷く愚かだ。言葉の意味も分からないまま飲み込んだ序列は、今になって僕の首を絞める。

『私達は、もう綺麗な水晶玉には戻れない』

冒頭にそう綴られた彼女の遺書は、彼女がこの世を去って２日後に僕の元へ来た。悲しみに暮れる心情に釘を刺すように現れたそれは、確かに僕を刺した。こういうことだったのかーーなんて客観的に見つめた言葉しか分からなかった。それはきっと、僕がくすんでいるから。色んな言葉を乱反射して他へ届けることも出来ないほどに、光を受け付けないほどに、くすんでいるから。

「ねぇ、YOU。気付けなくって、すまないね」

思ってもない謝罪を並べてみたって、きっと彼女にはお見通しなのだろう。連れ去ってはくれない。僕もそっちへ、逝かせてはくれない。好きだよ、僕のたった１人のヒト。分かっていて、離れていった。こうすれば僕が苦しむと分かっていてーー僕にまだ、輝いていて欲しくて。

意味が分からない、と頭を悩ませていた親御さんの横で、僕も分かりません、と寂しそうに繕って見せた、その仮面を見ても、まだ同じ事が言えるかい？汚れたのはYOUじゃなくって僕で、綺麗なのは僕じゃなくってYOUだ。本来は逆であるはずなんだ。

神様は意地悪にも彼女に嘘を語った。語る言葉が全て誠だと信じ込ませるような不思議な声音で。違う、騙されてるんだよ、って僕の声は届かない。なら、せめて。

筆を取って便箋に入れた。桜があしらわれた四季を織り成す便箋セットの一枚を、そっと机の上に置いて。
引き出しの中から取り出した小瓶を開いた。ふわり、甘い色と香りが広がるそれを、口内で独り占めする。ぴゅう、と窓から入ってくる春一番を浴びながら、視線は雲一つ無い真っ青なそれへ向ける。

「待ってて、今迎えにいくから」

さぁ、本当のendを唄おう。ずっと影に潜むことしか出来なかった僕には、それが相応しい。