じ ん ろ う げ ぇ む【黒子のバスケ】

5種類の結果パターン

今日のアナタと昨日のアナタ - 2024年5月11日

キィ...

ドアが、ゆっくりと開く。

入ってきたのは...

あ「...氷室サン...ですか...」

氷「ああ。」

あ「なんで...私、なんですか...」

無表情の氷室サンに問いかける。

氷「...そうだね。

キミが、陽泉高校のメンバーじゃないから...かな。」

彼は、か細い声で答えた。

あ「よく...殺しなんて...」

氷「そんなこと！！

...そんなこと...したくないに決まってるじゃないか...！！」

少し、声が震えていた。

氷「でも、ゲームなんだ...

生きるためには...仕方ないことなんだ...！！」

悔しそうに、そう告げた。

あ「そう、ですか。」

きっと、誰だってそうだ。

...いや、そうだと信じていたい。

でも、殺さなければならない。

抵抗したその先には『死』が待っているから。

皆、生きたい。

だから、欺く。

自分を。

自分自身の気持ちを。

私も生きたい。

生きたい。

死にたくない。

でも、

これから先、そう思うことすら許されない。

だって、ここで殺されるから。

死んでしまうから。

私の犠牲で、このゲームの『最後』は大きく変わるはずだ。

村人陣営が勝利するか

人狼陣営が勝利するか

第三者陣営が勝利するか

その『最後』を見ることが出来ないのが、とても悔しいが。

すると、氷室サンはツカツカと私に歩み寄り

氷「...すまない...！」

バタフライナイフを取り出した。



あ「う”う”ッ...あ”...ッ！！！！」



ザクリ、と、腹に異物が入り込む感覚がビリビリと伝わる。



痛い、なんてものじゃない。



でも



こんなところで



終わらせない...っ！！



あらかじめ、ベッドの中に忍び込ませていた拳銃を探り当てる。


ヒヤリとした感覚と、重い『責任』が、体を支配した。



あ「うっ...あああああ！！！！」



最後の力を振り絞り



引き金を引いた。



パァンッ！



乾いた音が、短く反響する。


後ろに倒れる氷室サン。



あ「...ご...め...


ご、め...」


止めなく、涙が溢れ出す。


『ごめんなさい』

『ごめんなさい』


何故、泣いているのか

私自身にも分からなかった。


...いや、分からなくていいのかもしれない。


すると、微かに氷室サンの声が聞こえる。


氷「...ね、ぇ」



あ「どう、し...」


氷「...あ...りあ...と...」



あ「...ッ！」


そこで、思考回路が停止した。



何も、分からない。




ココは...ドコ...？









ー翌朝ー



『氷室辰也さんが、猫又に食べられたかっこうで発見されました』

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