気づいて欲しいな。【ハイキュー】【日替わり】

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初めまして！初投稿です！よろしくお願いします！

色んなシチュエーションの日替わり夢小説です(両片思い多め？かも)。ご了承ください。

リクエストは、来たら泣いて喜びながら書かせていただきます。

追記:たくさんの高評価有難うございます！是非コメントもしてくださると嬉しいです！

【烏野】
影山飛雄『教えるから、教えて？』
縁下力『視線』
月島蛍『確認』
西谷夕『？？？』

【伊達工】
二口堅治『ちゃんと伝えて』

【白鳥沢】
白布賢二郎『可愛い後輩』
五色工『後悔』
天童覚『さらば青春』
瀬見英太『宵の花』

【青葉城西】
及川徹『熱』
国見英『男が奢ったらデート(暴論)』
金田一勇太郎『untitled』
花巻貴大『ショートコント:告白』

【音駒】
黒尾鉄朗『気づいて欲しいな。』
夜久衛輔『近づきたい』
孤爪研磨『言わせたかっただけ』

【梟谷】
赤葦京治『それはテストに出ません』『満点回答』
木葉秋紀『もう黙れ』

【稲荷崎】
角名倫太郎『□』

※作者の趣味嗜好をさらしているだけです。誹謗中傷はご遠慮ください。

※本作品の転載・パクリ等はご遠慮ください。

20種類の結果パターン

- 2023年3月23日

【天童覚】(リクエストありがとうございます！)
【放課後・美術室】
(天童→→→主人公)

△▼△
『さらば青春』

綺麗な絵だね。

彼は長い手足を器用に操って、画材だらけの床をすいすいと歩いて、私のキャンバスの前に立った。

「でも、綺麗なだけだと言われたの」

彼とはそこまで話したことがなかったけれど、お互い認識はしていた。
彼は学内でもかなり目立つ部類だし、彼の方は、学校祭の展示で私の絵を見たことがあったらしい。

「綺麗なだけじゃ駄目なの？アートってのは複雑だねえ」

赤髪の彼はぎょろりと私の絵を眺めてから、奇妙なタイミングで振り返って私を見た。

つくづく不思議な人だと思う。

「『一生懸命綺麗に描こうとしているのが露骨すぎる』そうです」

この間先生に言われたことをそのまま言った。
悔しさから少し尖った言い方になった。

彼に八つ当たりをしても意味がないことはわかってる。

でも言わずにはいられない。だって悔しい。

だって＿＿＿＿＿

「…………………一生懸命に描いて、何が悪いのよ」

言ったのは私じゃない。天童覚だ。
私は顔を上げた。

「……え？」

「あはっ、何かそんな顔してるから。俺が代弁」

本当に、不思議な人だ。

天童覚は私に近づいて、絵の具で汚れた私の手を包み込むように握った。とても紳士的な手つきで、顔は真剣だったように思う。

彼の長くて、硬くて、綺麗な両手は、私の手をすっぽりと隠した。

「よし、決めた！俺、いつか君の絵を買うよ」

「え？」

私が画家を目指していることは誰にも明かしていなかったから、彼の言葉は偶然だろう。

すぐにそう思ったのに、私は感激して声が出せなかった。

「ファン1号にしてね」

私は訳もわからず頷いた。

「……ええ、する。するわ」

天童覚は私の頭に大きな手のひらを乗せて、「ありがと」と一言残してから、奇妙な足取りで美術室を出ていった。

妙に胸がドキドキして、私は描きかけのキャンバスに赤色を足した。

10年後、パリで再開するとも知らずに、私の青春はそこで幕を閉じるのだった。