ハッピィ＝人狼ゲーム＝ディ【人狼松】

6種類の結果パターン

ハッピィライフ・ハッピィディ❤ - 2024年4月26日

トド松 村×狼


「・・・・ホントに嫌だな。」


僕はダイニングでポツリと誰にも聞こえない様に呟く

・・・僕にとっては6戦目のこのイカれたゲーム

今回も淡々と要領よくこなしていく

・・・予定だった。


「・・・・なんで」

「トド松！」


なんでYOUがいるのさ・・・

僕ら六つ子のもう1人の女の子の幼馴染

トト子ちゃんに負けず劣らず可愛くて

優しくて、頼もしくて

遠い様な近い様な感じの子

末っ子だからといつも言われていた僕に隔てなく幼少から接してくれて

僕はそんな彼女が大好きだ

・・・なのに。


「・・・・嘘。」


今回の役職はよりによって人狼で

他の人狼の所に名前がない

僕はYOUちゃんと疑い殺し合わなきゃいけないの・・・？

6戦目の始まり、僕は途方にくれた


「どうしたのトド松？」

「YOUちゃん・・・ちょっとこの環境に疲れただけだから大丈夫」

「そう？なんかあったら頼ってくれていいからね」


そこから僕は1戦目と同じ感覚を感じるようになった

そして、僕を心配するYOUちゃんの無垢な善意に笑顔を向ける僕自身も嫌いだ


「・・・・・人狼、COです。」


会議室に響く細い彼女の言葉にハッとなる

なんでYOUちゃんが人狼CO？

あれは完全に僕らに有利になるFCOだ


「・・・もう耐えられないんです。自分の投じた票で人が死ぬのも、自分の手で人を殺める感覚も。」


YOUちゃんはポロポロと鳴きながらそう細々と紡ぐ

・・・そう言えばYOUちゃん演劇部だったっけ

あまりに違和感のない演技で本当に彼女が人狼だとうっかり呑まれそうになる


「・・・人狼でない皆は考えたことあります？このゲームの人狼の辛さを。」


シンと静まる会議室

異様な程に静かなのは初めてだ

YOUちゃんは人狼役が言いたい事を代弁してくれた

それが周りは堪えたのかな


「・・・トド松。最期は貴方が・・」


そう言いながらにナイフを持って僕に近づいてくる


「え・・・なんで・・」

「・・・・」


だけどYOUちゃんの真っ直ぐな瞳を見たら何も言えなくなってしまって


「・・・分かったよ。」


彼女からナイフを受け取って震えながら構える

こんなに震えた事はあったかな


「あ、りが、とーーーー」

「YOUちゃん・・・・！！」


だって、断れる訳ない


「トド松、私は貴方を生かしたいの」


そう言われてしまったら

あぁ。だから僕は今の僕が嫌いなんだ。

僕はボロボロと流れる涙をゴシゴシと必死に拭った

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