【黒バス】きっといつか、君と、

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「本当に、本当にありがとう」 - 2024年4月27日

【青峰大輝】"いつまでも、"





「YOUっ！！」





勢いよく開かれた扉から、君は入ってきた。



走って来たのだろう、息が切れている。





「あ……大輝」




「大輝とか、言ってんじゃねーよ！ どういうことだよ！」





彼は私を指差して言った。




今の私の体は、傷だらけ。



外部も内部も、血塗れだ。



そして、フェンスの向こうに立っている。





屋上だからこその強風が吹き荒れた。





「あのね、私……やっぱりもう無理なんだ。



学校ではいじめられるし、家でも居場所はないし。



だからね、居心地の良い……向こう側の世界に行こうと、思うの」





私は目を細めて、その"向こう側の世界"を見つめた。





「俺が……





俺が、いるじゃんかよ！」





驚いた。



大輝ってこんな人だったっけ。



制服のリボンが風で胸に押し付けられる。





「……そうだよ。



いつでも大輝は私を助けてくれた。



本当に、本当に感謝してる」





それこそ言葉では言い表せないくらい。





「じゃあ……なんでだよ！



お前がいなくなったら、俺はっ……！」





「……大輝、こっちに来て」





涙を流す彼を、フェンスを挟んで引き寄せた。



フェンスの網目の間から、両手を合わせる。



力強く、大輝の手を握った。





「大丈夫。私がいなくなっても、大輝はちゃんとやっていける。



泣かないでよ。



私まで、泣きたく、なっちゃうじゃんか……」





いつの間にか私も涙声になっていた。





「……嫌だ。俺はもっとお前と一緒にいたい！



だって、だって言っただろ！



"いつまでも、いつまでもずっと一緒だから"って……！」





手を握る強さが強まる。



男の子だなあ、と思う。





「……俺は……許さねぇ。



いじめた奴らも、親も、そんで死んじまうお前も許さねぇ！」





「うん。大輝が正しいよ。



じゃあそろそろ、時間だから……



さよなら、大輝」





「無理だ。行かせねぇ！」





私は、力づくで命綱を振りほどいた。





「ごめんね、大輝。





大輝なら、私がいなくてもちゃんとやっていける。





だって、私が惚れた男だもん」





彼は絶望的な目で私を見る。





「だから、私を信じて。





今まで本当にありがとう。





そして、さようなら。





・





ずっとずっと、大好き＿＿」





・





「YOU＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っ！」





* * *

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