今日は特別な日だから、君と ［カゲプロ］

33種類の結果パターン

カ)こっちがいっぱいになっちゃったから続編に移る事になったよー！　向こうでまたお話しようね、待ってるよ！ - 2024年5月11日

＊シンタロー＊付き合った記念日


「なっ、なあ！」

『なにー？』

顔を真っ赤にさせながら話しかけてくるシンタローに、呼んでいた本から顔をあげて返事する

「あー、えーと、うー…………」

『何うなってるの？ シンタロー、ここ学校だよ？ 不審者はただちに連行されちゃうよ？』

「誰が不審者だっ！！ そーじゃなくてよ……」



まだもじもじとするシンタローは、もう言葉で伝えるのを諦めたのか私の手をつかんだ

そして、図書室から出て行って私を何処かへと連れて行こうとする


『え、ちょっと……アヤノちゃんとか先輩達に待っててって言われたんだよ？ いいの？』

ねえシンタロー。ちょっと。無視しないでって

私はそんな言葉をずっと投げかけ続けるけど、シンタローからの返事は一切なし

ただ、後ろ姿から見える真っ赤な耳だけが何か言いたげだった



そして誰もいない廊下まで来ると、くるりとこっちへと振り向く

『やっとこっち向いた。ねえ、どうしたの』

「……その、今日……ってさ。俺たちの……」

もぞもぞと話すシンタローへ耳を向けて、聞き取ろうとする

すると、いきなりの大声を出してきた


「俺たちのっ、付き合い始めた記念日だろ！」

ぱちくり、と音がするほどに私は目を見開いた

……あ、そういえば……

そんな気持ちをそのまま口に出せば、「なんだよ〜」とシンタローはうなだれた


「女ってこういうの特別に思ってると思ったのによぉ……」

しゃがみこんでしまったシンタローに目線を合わせ、私は笑う

『ごめんて。……そっか、中学から付き合ってたもんね。もうそんなに時間が経ってたんだねー』


へらりと笑うと、シンタローは余熱を残した赤い頬のままこっちをじとりを見た

だからごめんて


『……覚えてくれててありがとね？ 嬉しい』

「お前は覚えてなかったけどな……」

『もー。怒んないでって』



いじけるシンタローを可愛いと思ってしまって、私の腕はいつの間にかシンタローを抱きしめていた

するとシンタローに火がついたようで、そのまま私たちは唇を重ねた




今日は私たちの付き合い始めた記念日

まるで今のキスが、初めてみたいに感じれる

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(……もう、このまま帰っちゃわねえか？)


(あーっ、嘘だって！ ちゃんと戻るっつうの)



(……こんなに時間が経つのに、まだ男の気持ちが分かってねえよなあ……お前)

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