【おそ松さん】材木好きに送ります。【日替わり】

6種類の結果パターン

今日の材木は…? - 2024年5月5日

＊
「トド松ー?」


今日どこか行くか？


実の兄弟で、実の兄であるカラ松兄さんから声をかけられると、今までいじっていたスマホを、近くにあった机に置いた。



なるべく。



なるべく、嬉しそうにするのを表に出さずにこう答える。


「ん、行く。」


こう言えば、ぱああっと顔を明るくするから、つくづく兄さんは犬系男子だな、と思ったり。


それだったら十四松兄さんもかな、強いて言うならおそ松兄さんもかもね。


そんなことを考えながら準備をしようと、服を漁りに部屋に向かった。


＊
自分の身体は正直で、実際すごく楽しみだったんだと思う。


先に準備に向かったカラ松兄さんよりも、早く玄関について。


なんだかよくわからないプライドが邪魔をして、何度も部屋に戻って、玄関を確認しては、まだか、と待った。


先に出ていて 遅かったね、なんて可愛いことはできないから、早く、出てきてほしい。


そうすれば、あのイタイ服が頭をよぎる。


あれを着てきたならどんなに好きでも隣を歩けない。


おまけにサングラスをかけてこられたら、もうたまったもんじゃない。


待ってるのももう、いいやって思った頃。

思い立ったら結構すぐに行動するタイプの僕は玄関に向かった。


とんとん、と薄いピンクの靴をはいて、外に出ると、


「ああ、遅かったな。なにかあったのか?」


呆然と立ち尽くす僕の前で思ってもなかったことが起きたわけで。


＊
「………は?」


「……な、なにかおかしいか…?」


てっきりイタイ服を着てくるんだと思ってた。


目の前、といっても少し視線を横にずらした位置に立つ実の兄はいつもでは考えられないカジュアルな格好をしていた。



どこにそんなセンスが。


「前に、一松と選びにいったんだが……」


よく殴られなかったね。
一松兄さんセンスよかったんだね。


こんな服が似合うなんてもっての他。


そんなこと思ってもなかった。


「じゃあ行くか…？」


さりげなくこちらに手を出す兄さんを無視して歩き始める。


……え、とすぐに追いかけてくる兄さんに、赤くなった顔を見られぬように、と顔をかばって歩いた。


比較的 歩くのが遅い僕に合わせてくれる優しさも、
「どこに行こうか、」と嬉しそうな笑顔も、


全部が好き。


「……馬鹿。」


そんなこと言えもしないけれど。

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