【おそ松さん】ぱ.ら.ふ.ぃ.り.あ.

15種類の結果パターン

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おそ松×ダクライフィリア






きっかけは一本の映画だった。
号泣必至と名高いラブストーリーだった。内容はよく覚えていない。



ただその話の中で、ヒロインが愛する人の腕の中で死に至るシーンがあったのは、すごく良く覚えている。



そこで私は涙を流した。そのヒロインに感情移入して、ボロボロ泣いた。



二人がけのソファー。隣で泣きじゃくる私を見て、おそ松はたしかにこう呟いた。





「……綺麗」



その時は、私に対して発せられたものだとは思わなくて、ただ映画に見入っていた。



“それ”に気がついたのは、もう少し後だった。


何故こうなったのか、はっきりとしたことは言えないが、ただひとつ言えること。



その一本の映画が、私の一粒の涙が、私たちの愛情をねじれさせるきっかけだった、という事。





「うっ、う、あ」


私は今日も泣く。おそ松のために。




「もっと泣いて」



優しく囁いてから、私の腕を踏みつけた。




「痛……っ」



そんな事されなくても、私の涙は止まらないのに、おそ松はじわじわと私の身体を痛めつけていく。




「泣哭性愛」という病気だという。
泣くことや涙に、興奮を覚えるというものだ。




「はっ、はは」



楽しそうな、笑い声。
熱い息。霞む視界。



「ははは、はは」


やまない笑い声。



ぞくり、鳥肌が立つ。



涙が頬を伝ううちに徐々に冷えて冷たくなっていく。



泣きすぎて息ができない。苦しい。辛い。痛い。


「っはは」


息をつまらせながら笑う。その声は乾いていて、よく耳に響いた。




目からこぼれた涙が口に入ってくる。しょっぱい。口を閉じようにも鼻呼吸では息苦しくて、閉じられない。



うずくまって泣く。泣く。泣く。
笑い声が響いて、ゆっくりと消える。



腕が痛む。蹴られた腹も。腫れた目も、過呼吸気味の肺も、痛い。



笑い声は絶えず響く。……泣いているような笑い声。



「はははははははっ！」




音階の外れた一本調子な笑い声が漏れた。




おそ松は、私を痛めるのをやめ、不気味そうにぽつり、呟いた。







「……なんでお前、ずっと笑ってんの？｣









ーーねじれた愛情。私も泣哭性愛(異常)。








【泣哭性愛(ダクライフィリア)】Dacryphilia
泣くことや慟哭(どうこく)などの泣哭(きゅうこく)行為、涙などへの性的嗜好。

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