【銀魂】今日の神威さん。【日替わり】

5種類の結果パターン

ねぇ、お腹すいた。 - 2024年4月27日

＿大きな存在＿(現パロ)


・



私には、家庭教師がいる。
親が雇っているらしい。


アパートで一人暮らしをしていて、
尚且つ、友達が少ない私にとって、
とても大きな存在。


......だったらいいんだけど。



「ん、おかわり。」
「......。」



右手にお箸。左手に空っぽのお茶碗。
これぞ正義、と言わんばかりに、
笑顔を見せるこの人。



大きな存在より前に、お前ほんとに教師？
はぁ、とため息をつき、しゃもじを握る。



＿＿神威。これが、先生の名前。
ちょっと変わった名前の先生は、
これまた珍しい、『夜兎族』なんだとか。



＿私のアパートに一歩入れば、
「お腹すいた。」


＿仕方なく作ってあげていると、
「ねぇ、まだ？」


＿食べている間は、
「おかわり。」



一体これは、
私に勉強を教えに来てくれているのか。
それとも、
私の食費を上げようとしているのか。



「ねぇ、おかずのおかわりある？」
「......。」


......うん、後者だなこれ。



「さすがに食べ過ぎ。」
「え、これで？」
「うわぁぁ、私の食費がぁぁ......！」



教えることより、食べることを最優先。
食べるだけ食べて、満足して、
そのまま帰って行った日も多々ある。



ほら、今もそう。
ずごごごご、なんて、食事をする時に
出るはずのない音が聞こえる。
てか、食べるっていうより、胃に流し込む？



「はぁー、おいしかった。」
「私の食費ぃぃ......！」

「お腹もいっぱいだし、眠いし......。
よしっ、かーえろっ。」
「あなた本当に教師ですか。」



玄関まで歩いていく先生を追いかけて、
少し低音で言ってみたものの、効果なし。
「ごちそうさま」なんて、呑気に言って、
先生は帰って行った。



静かな部屋の中。
私の小さな足音だけが耳に入る。



「......不思議。」




＿＿楽しかったな。
神威先生が帰って行ったあと、毎回そう思う。
別にそれは、勉強が、という意味ではない。
それに、今日は勉強しなかったし。
......と、いうことは。




＿＿神威先生と一緒に過ごす時間が、
楽しかったと言える。




いっつも笑顔で、呑気で、大食いで。
そんな神威先生との時間が、少しずつ、
かけがえのないものになっている。



ー・・・かも、しれない。

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