異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

01.生きてると腹って減るよね ページ4

NO SIDE.


突然脅しのようなものを受けたAは、キョトンとした。

対する白髪の少年は、隠せないほど足がガクブルしている。


『ごめんちょっと今500円しかないや』

「500円！？僕が言うのも何ですけど貴方どうやって生きてきたんですか！！」

『いや僕もいつもこの所持金なわけじゃないから！！僕マジで金持ちだからね？？』

「そ、そうですか…」


突然マシンガントークを繰り広げたAに、少年は気圧されている。


『その様子だとお腹空いてるんでしょ？生きてると腹って減るよねぇ』

「じゃあ貴方生きてないんですか？？？」

『見ての通りバリバリ元気ゴキブリ並みの生命力☆だけど』

「最後だけ真顔になるのやめません？」

『まぁまぁ』

「なだめ方が適当！！」

『まぁとにかく、お腹減ってるんでしょ？500円あげるよ。』

「脅した僕が言うのも何ですけど人に今の全財産渡してもいいんですか！？」

『たしかに。』

「いや納得するんですね…」

『でもそれはあげるよ。お腹すいてんだからありがたく受け取っとけば？』

「ど、どうも…」


少年、ここまでの会話で疲労困憊である。

怒涛のツッコミには体力が要るのだ。


『……で、君のお名前は？？僕は仁都A』

敦「中島…中島敦です。18歳。Aさんは何歳ですか？」

『さん付けも敬語も無しでイーヨ、敦。僕何歳だと思う？』

敦「うーん……同じくらいか20歳とか……？」

『秘密★』

敦「あ、結局教えてくれないんだ……」


そして何気なく川の方を振り向いた敦は、やばいものを見つけてしまう。


敦「ウワァァァ足が生えてる！！川に！！」

『えッほんと！？この川すごいね！ちょっと潜ってみようかな』

敦「ワクワクしないでよ！？」

『っていうか真面目にアレ溺れてるか自 殺かどっちかじゃね？？』

敦「た、助けないと…」

『僕も人助けが生きる糧だからね！手伝おぉう！！』


ザブーン。

二人は川に飛び込み、足を引っぱって岸に引き上げた。


『うわぁWe Areビチョビチョだね』

敦「……何それ……。何語…？」

『A'sスペシャル言語』

敦「余計わからないよ…」

『てかこの人まじでやばいんじゃない？人工呼吸する？』

敦「ウワァァちょっとまって！女の子なんだからそういうのは僕に任せるべきだよ！！」

『？？？』

敦「理解能力！！」


そんな茶番を繰り広げていると、男がかすかに身じろぎした。



.

02.気にしたら終わり→←00.過去

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す