Necromance19 ページ19
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「オサムくん美味しい?んふふそうか!それヒューマングレードのキャットフードだからね、沢山お食べ」
と、猫のオサムに超高品質の高価なヒューマングレードキャットフードを食べさせ、自分はカップラーメンで終わらせる。
金銭的には、かなり余裕がある。けれどもこうして不健康な生活をして居るのは、単に面倒だからだ。釣りをして居たのは、努力して釣った魚を売った金で酒を飲めば、さぞかし格別だろうなぁと思ったからだ。
風呂から上がり、藤崎の格好は部屋着。まだ乾き切っていない髪をタオルで拭いて、ソファに腰掛ける。今はピアスもヘアピンもして居ない。勿論白い手袋も。
細くて長い、爪の先まで整えられて居る、綺麗な手だ。周りに晒さないのが勿体ないと思える位に。
腰掛ける藤崎の膝の上に、猫のオサムが飛び乗って来る。
「君本当に可愛いね。白くて、目がキラキラで、本当に綺麗。
おじさんだけどね!!」
優しく撫でてやると、ゴロゴロと喉を鳴らした。猫のオサムは、
藤崎が二十歳の頃に、生後二ヶ月の時にやって来た猫だ。つまり七歳。人間で云うと四十四歳だ。
すると藤崎の周りに、幾つかの霊が浮遊し始める。藤崎が手袋をして居ない間は、自由に行動出来る。藤崎の近くであれば。
少し前に、藤崎が手袋をした状態でも…姿を現せる霊が居た。
それは、藤崎への思いが強い霊にのみ為せる事である。
「何?オサムくんに嫉妬かなあ皆。大丈夫。君も綺麗だよ、
あぁ…勿論君も綺麗だ。こら、喧嘩しない。皆一番だよ」
幽霊達が争うので、藤崎はその綺麗な手で霊魂に触れ、甘く誑かす。幽霊達にとって、藤崎と云う存在は無くてはならない物なのだ。
藤崎の中に入ってしまえば、元の徘徊する霊には戻れない。それ程居心地が善い。
ぴんぽーん。
インターホンが鳴った。午後八時。こんな時間に誰だろう。カップラーメンの詰め合わせを頼んで居たからそれだろうか。いや、この時間にそれは有り得ない。
直ぐ様、両手に手袋をする。手袋をした途端、霊魂は閉じ込められる様に姿を消した。オサムを持ち上げて隣に移し、撫でてから玄関に向かう。
「どちら様____」
そろりと扉を開けてそう云うと、ガッ!と扉を掴まれた。その手に包帯が巻かれて居るのが見えた。待て。俺はこの手を知ってるぞ。
ひょいっと覗く黒髪の美形が見えた。
「翔、お願い!
「お引き取り願いますう!!」
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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