急がば回れ ページ39
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はい。
駅に向かって駆けだしたのが十五分前。
近道したろ、とか思って道の脇の人工林を突っ切っていったのが十二分前。
市警でさえ滅多に近寄らない、地雷地帯がある場所だ。
一応現役JCということもあってマフィア内で顔は知れているので、撃たれる心配はないはず。
ここからが問題だった。
暫く海沿いを急いでいると、沿岸に男の死体が三体打ち上げられているのを見つけた。
それが七分前。
普通だったら警察を呼んだが、そうもいかなかった。
その死体がポートマフィアの構成員であったからだ。
数秒思考が停止したが、我に返って電話をかけまくる。
石川さんたちは今風呂に入ってるから繋がらなかった。
中也さんもさっき会ったけど繋がらなかった。
太宰幹部は……ほら、ね？
で、唯一繋がったのが芥川さんで、今手を離せないから広津さんを向かわせると言われたのがついさっきの出来事。
人目につかないよう悲惨な死体の隣で大人しく待っていると、十分程で黒服を数人引き連れた広津さんが到着する。
軽く挨拶を交わした後、広津さんがてきぱきと指示を出し始めた。
「市警に連絡が行かぬよう手を回せ。それから、掃除屋を呼べ。死体を運ばせる」
黒服の人たちも、ただ黙々と命じられるままに作業を進めている。
どう見ても邪魔な私がさっさとこの場を去ってしまわないのは、もうじき奴が視察に来ると聞かされたからだった。
何がどうあれ今日は絶対に学校に行って生活を一般人に戻したい。
会いたいよはるちゃんにかなかな(友達)
「彼ら三人に家族が居たか調べよ。もし居れば、家族には私から連絡する」
広津さんは懐から煙草を取り出しながら言った。
「それから、間もなく幹部がお着きになる」
「おっはよー、みなさーん」
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作者名：のーと。 | 作成日時：2018年10月1日 22時
