甘えた旧双黒さん【日替わり】

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「何故僕がこの様な役を、人虎とやらねばならぬのだ」「しっ、知らないよ！ 芥川なんか云って！」「ゴホッ、では… 今日は「今日はこの方です！」「死ね人虎」 - 2024年5月10日

太宰治で夏祭り






「やァ、YOU。 浴衣綺麗だね」



「あっ、太宰さん！ 太宰さんも来てたんですか？」



「国木田くんが、仕事仕事と煩いからね。 YOUがいると思ったのだよ」



「その割には、浴衣着こなしてますよね」



「それ、敦くんにも云われた」






これも何かの縁だと、二人で屋台を回ることにした。
太宰さんは、楽しそうに微笑んでいる。






「ねぇ、YOU。 手、繋がないかい？」



「…はい？」



「YOUと手を繋ぎたいんだが… その方がはぐれないだろう？」





まさか、唐突にそんなことを云われるとは思っておらず、頭が真っ白になる。
私が俯いているからか、太宰さんは少し寂しげだ。

その顔はずるい… まるで怒られた犬みたいだもん。
……本人に云ったら怒られるだろうけど。





「……やっぱり、駄目かい？」



「〜〜っ、わ、わかりました！ つ、繋ぎましょう！」






そう云った瞬間、太宰さんの顔がぱあっと明るくなった。
やっぱり……可愛い。





「なら、こっちの方が私は好きかな」



「え、ちょ、太宰さん？！」





太宰さんがくるりと恋人繋ぎにする。
恋人繋ぎとか…やったことない。
太宰さんは嬉しそうに鼻歌を歌っていた。





「ほらYOU、はぐれてしまうだろう？」





ぎゅうっと繋いだ手に力を込めて、歩き出す太宰さん。



夏祭りは、まだ終わらない。








＊＊＊＊＊

「恋人繋ぎにした理由？ そんなに気になるのかい？ なら、評価をしてくれ給え」

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