カノキドティータイム2(短編集)

(=゜ω゜)ﾉ

クリームソーダ*４*今僕達がいるのは、アジトからそう遠くないところにあるショッピングモールの中の洋服店。

季節柄、置いてあるのは夏服である。

つぼみは現在、ショーウインドウの中のワンピースにご執心だ。

｢…………。｣

そして、チラチラと何か言いたげにこちらを見つめてくる。

その仕草がまた可愛いのだ。

｢…買って欲しいの？｣

ついに視線に耐えきれなくなった僕が問いかけると、とたんに嬉しそうな顔をする。

｢え、いいのか!?…でもやっぱりいい。自分で買うよ。｣

｢いいって、買うよ。僕は彼氏だもん。｣

僕だって男である。好きな子の前では格好いいところを見せたいんだ。

｢で、でも…｣

｢いいから！…すみません、これください！｣

つぼみが何か続けようとするのを遮って、レジに向かった。

｢あら、彼女さんにプレゼント？格好いい彼氏さんね。｣

ワンピースが入った紙袋を手渡される時、店員さんにこう言われた。

僕は嬉しくてつい顔がにやけてしまうのを欺き、
｢ありがとうございます。｣

と一言返した。

その時僕の後ろにいたつぼみが、

｢格好いい彼氏…!｣

と嬉しそうに呟いていたのが聞こえた時には、一瞬欺くのを忘れそうになったが。

*****************************

｢はい、これ。｣

先程の紙袋を手渡すと、そのとたんつぼみは嬉しそうな顔をする。

｢ありがとう、修哉！…そうだ、お礼するよ。飲み物とか奢る。｣

｢そんな、いいのに…。｣
女の子に奢らせるのは僕としてはあまりいい気持ちはしないのだが、それではつぼみの気が済まないようで、

｢いいから！｣

と、さっき僕が言った台詞をそのまま使って、つぼみは僕を喫茶店まで引っ張っていった。

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