カノキドティータイム(短編集)

(*^_^*)

ショートケーキ*５*｢…すごい、すごいすごいすごい!!｣

カノは子供のように目をキラキラと輝かせ、俺の手元を見つめている。

｢これ、ホントにキドが作ったの!?ホントに!?｣

｢あ、ああ……そんなに感動するような事か？｣

｢そうに決まってんじゃん!!すごいよ!!｣

と褒めちぎられ、俺は少し照れくさくなってきた。

｢ありがとうキド〜!!!｣

終いには抱き付かれた。
｢やめろ!!鬱陶しいわ!!｣
｢キド〜!!!｣

その様子をその場にいた全員に見られた挙げ句、録画までされていたのは、また別のお話。


…まあ、カノに誉められたり、抱き付かれたりする事に関しては、悪い気分ではなかったが。

****************************

｢はー…美味しかった…!｣
その後。

俺はカノと二人、リビングのソファでお茶を飲んでいた。

｢いやぁ、キドはすごいね！あんなケーキを一人で作っちゃうなんて!!｣

俺は言葉を返そうと、少し考えた。

…今日ぐらいは、素直になってやってもいいかな。

｢そりゃ、大好きな奴の誕生日だからな。｣

｢…へ…?キド、それってどういう意味…?｣

カノは俺の言葉に、若干パニックになった。

｢…大好きって…僕の事が？｣

…ああ、なんでこいつは、こんなに話が伝わらない奴なのだろうか。

俺だって恥ずかしいのだが。

｢ああ、そうだよ…なんか文句あるか!?｣

｢いえいえ、そんなものございませんとも!!ありがたい限りですって〜!!｣

｢…なんだその反応…ってうわっ!?いきなり抱き付くな!!｣

｢つぼみ〜、大好きだよ〜!｣

｢なんだよもう…!｣

こいつとのやりとりは少しこそばゆかったが、不思議と嫌ではなかった。
思わず顔が緩む。

…こういうのも、たまにはいいかな。









｢…俺も大好きだよ、修哉。｣

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