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04 裏メニューと社交辞令 ページ4

マスターの作るお酒を飲みながら、カクテルトークに花を咲かせるのはとても楽しい。


「オニーサン本当に来てくれたから、これは私から」
「え、うまそう!」
「まだメニューにはなってないんだけど、私が作った鴨ハムです」
「いいの?」
「えへへ、どうぞ」


目の前にコトリと置かれたさらには、スライスされたハムが並べられていた。
鴨のハムらしい。


「あ、店長ちゃん!これ美味い!」
「ほんとですか?よかった」
「メニューにならないの?」
「したいんですけど、すごーく手間が掛かるんです」
「そうなんだ」
「1週間掛かりますから」
「あはは、それは難しいわ」


塩気が丁度良くて、スモークの風味がまた酒に合うのだ。
作り方を聞こうとしたけど、所要時間を聞いて口を閉じた。


「オニーサン、お酒に詳しいですね」
「昔バーテンやってたんだよね」
「へえ!オニーサンかっこいいから、ベスト似合ってただろうなぁ」
「……、そりゃもちろん!」


一瞬、言葉に詰まりかけてしまった。
言われ慣れている単語でもあるし、接客業でよく使われるお世辞ってやつなのかもしれないが。

それからは好きな音楽の話だとか、あいつの恋の結末についての話だとかで盛り上がった。


「実はあれから気になっていたので、お友達さんの恋が叶ったようで良かったです」
「これで進展無しだったらどうしてくれようかと思ったんだけどね」
「仲が良いんですね」
「まぁ腐れ縁ってやつだな」
「ふふ、それもまた大切な縁ですよ」


オニーサンと私もそういう縁だといいですね、と笑う店長。
不意打ちにキョトンとしてしまう。


「そ、……そうすね!」


まぁ、こういうのは大抵社交辞令なのだ。そう。社交辞令。なんせ彼女はこの店の店長だ。こんなの慣れっこに決まっている。俺だってそれなりに経験もある。

……そうと理解はしていても、心の奥底で少なからず高揚している自分がいる。


「店長ちゃん、また来ていい?」
「はい、お待ちしてますね」



_____________

ナチュラルにちゃん付けへ…。

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サナダ(プロフ) - みずいろPさん» コメントありがとうございます。身に余りますが、お褒めの言葉をくださりありがとうございます!かけ離れすぎないように悩みながら書いているので、そう言って頂けて本当に嬉しいです!緩やかなペースで更新を続けて行きますので、暇潰しにでもしてくださると幸いです。 (2020年5月3日 1時) (レス) id: 223c7a8324 (このIDを非表示/違反報告)
みずいろP(プロフ) - 夜分遅くにコメント失礼致します。彼らの喋り方の癖や性格までそのまま書かれているすごく自然で素敵な文章だったので、思わずFBさんの作品からこちらまで一気読みさせていただきました!これからもどうか作者様のペースで作品更新していただけたらとっても嬉しいです。 (2020年4月25日 1時) (レス) id: ebeb97e457 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さなだ | 作成日時:2019年8月19日 1時

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