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なんて、思っていた私は大層頭が悪かったに違いない。
翌日、目の前に置かれた指輪。音声の流れる携帯。横に腰掛けている五条さん。それらを視界に入れながら、深く反省した。
携帯から流れてくるのは、昨日の友人達との会話。
“で、あれからAにも彼氏出来た?クズじゃない人”
“…あー……ぼちぼちかな”
“何微妙な反応!まぁいいけどさ”
“合コン行かない?合コン。Aいると相手が喜ぶんだよね”
“大学抜けたら手のひら返ししてきそうだし、やめとこーよ”
“えぇ〜、もったいない〜”
「──────で、まず聞くけど、ぼちぼちって何?」
五条さんが足を組んで私に問いかけてきた。冷や汗がダラダラと出て、悪寒が止まらない。
「…その……結婚しているということを言うタイミングを逃してしまって」
「嘘つくなよ」
「ひっ…しょ、証明するものがないと思って……」
ガンッと机が叩かれる音がして、小さく悲鳴を上げながら答えた。さっきから目を合わせられない。
「で、合コン行かない?って言われてんのになんで断らなかったの?」
「言うタイミング…逃してしまって…」
「ふぅん」
息が詰まりそうだった。否、元はと言えば私が悪いのだが、まさかこれで怒るとは思わなかったのだ。
こんな時、1人だと本当に心細い。翠、帰ってきて、なんて考えてしまう。
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作者 - 緑の白猫さん» ありがとうございます!少しおかしい幸せな恋愛を目指しているので、そう言って下さり嬉しいです! (2021年3月3日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 唯でさえ五条さんがヤンデレ気味なのに、夢主ちゃんもちょっと変な娘で、其れなのに純愛っぽく成立している所が、読んでいて堪らなく好きです。更新は無理せず頑張って下さい! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年3月3日 0時