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こんな軽口を叩いていたけれど、翠は本当に強くなったみたいだ。
パッと見の呪力量が以前とは違う。そして洗練されている。一体冥さんは何をしたのだろうかと翠に尋ねた。
『え?あぁ…黒閃を学んできたんですよ』
「……?」
『ランダムのクリティカルヒットみたいな、とんでもない攻撃だと思ってもらっていいですよ。黒閃をすると、呪力の核心に近づけるとか何とか』
「そうなんだ…翠は近づけた?」
野暮な質問だったらしく、翠は鼻で笑う。
『
「じゃあ楽しみだね、次の任務」
背伸びして翠を撫でた。相変わらず綺麗な造形の顔だ。
『……人の顔はあまりジロジロ見るものじゃないのでは?』
「ごめん…翠はやっぱり綺麗だなって思って」
オーロラみたいな瞳に魅せられると、全て放り出してしまいたくなる。エメラルドの色の髪も、この世のものとは思えない。この世のものと言うのも怪しいけど。
『宝石みたいでしょう』
「うん。本当に綺麗」
でも絶対、儚くない。
「エメラルドって、職人泣かせの石って呼ばれてるんだって」
『知ってますよ、貴方の知識なんですから』
「あはは。それは失礼」
冗談めかして言うと、翠が反撃に来た。
『それで、エメラルドの意味は?』
「……」
『あ、顔隠した』
両手で顔を覆って、翠に見られないようにする。しかし、そんな事しなくても分かっていると言うようにケラケラと翠は笑った。
『意味を考えてのお土産なのか、そんな意味無いのか。今になって分からなくなってきましたね』
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作者 - 緑の白猫さん» ありがとうございます!少しおかしい幸せな恋愛を目指しているので、そう言って下さり嬉しいです! (2021年3月3日 23時) (レス) id: abf4ad4153 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - 唯でさえ五条さんがヤンデレ気味なのに、夢主ちゃんもちょっと変な娘で、其れなのに純愛っぽく成立している所が、読んでいて堪らなく好きです。更新は無理せず頑張って下さい! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年3月3日 0時